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日本人とフィジー人はここが違う。「脱成長」で成長するための3つのヒント|BOOK LAB TALKレポート

author 文:田邉愛理
日本人とフィジー人はここが違う。「脱成長」で成長するための3つのヒント|BOOK LAB TALKレポート
Photo: ライフハッカー[日本版]編集部

ライフハッカー[日本版]とBOOK LAB TOKYOがコラボするトークイベント「BOOK LAB TALK」。

第9回目のゲストは、ライフハッカー[日本版]での連載を元にした『まんが南の島フィジーの脱力幸福論』(いろは出版)を刊行したばかりの永崎裕麻さんです。

ウェブ連載時の担当編集だったライフハッカー[日本版]副編集長・丸山美沙とともに、永崎さんがフィジーで学んだ「幸せな生き方、働き方」について語りました。

隣人の不安に背を向けない。「まずアクション」で現実を動かす

LHマッサージ小屋の前で陽気に営業するおばちゃん
Photo: 永崎裕麻

2007年にフィジー共和国に移住し、今年で15年目になる永崎さん。日本人向け英語学校「COLORS(カラーズ)」を運営する傍ら、2020年から「南国ライフスタイル LABO」を立ち上げ、フィジー流の脱力幸福論をワークショップやオンラインイベントでシェアしています。

今回のトークのために、永崎さんが「フィジーから学びたいマインド」としてピックアップしてくれたポイントは3つ。1つめは「まずアクションする」こと。

丸山も大好きだという連載第24回では、小国フィジーが地球規模の難題に立ち向かうエピソードが描かれました。

【漫画】南の島の脱力幸福論(24)〜人類みな兄弟「温暖化で沈みゆく国々」

丸山:フィジーの隣国であるキリバス共和国は、温暖化の影響で水没の危機にあると言われます。そんななか、2014年にフィジーのナイラティカウ大統領がキリバスの首都タラワを訪問。「我々は困っている隣人に背を向けることはない」と、約10万人のキリバス人を受け入れることを宣言しました。

永崎:フィジーの人口は約90万人ですから、日本に置き換えたら約1000万人の難民を迎えるような感覚でしょうか。もしかしたら実際にどこに住んでもらうかまでは考えていないかもしれないけど、「なんとかするから、うちにおいで」と言える、それがとても大切だなと。

フィジーのような小さな国が手を挙げることで、今は自国の経済を優先して受け入れを拒否している大国も、「我々にできることはなんだろう」と考え始めるかもしれない。フィジーの人は、それが自分たちの役割だと考えているように思えました。

経済的には貧しくても、キリバス人の不安にいち早く寄り添い、「世界がひとつになって地球を守ろう」というメッセージを発信するのがフィジー人。

考えていると間に合わないことも、決断すると動き出すことってありますよね。これは仕事でもプライベートでも使っていける学びになりそうです」と丸山も頷きます。

「完璧」を求めない。寛容な社会の方が挑戦できる

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「幸福な生き方・働き方とは、てきと〜」と回を締め括った永崎さん。
Screenshot: ライフハッカー[日本版]編集部 via Zoom

フィジーから学びたいマインド、2つめのポイントは「完璧主義じゃなくていい」。

「フィジーの人は、もう本当にいい意味で“適当”なんですよ」と永崎さん。書籍の「踊る警備員!?」というエピソードには、踊りながら交通警備をするフィジー名物の男性が登場します。

【漫画】南の島の脱力幸福論(13)〜くだらないことが人を幸せにする

永崎:彼の話を聞くと非常に合理的なんです。普通に誘導しているだけだと退屈だから、自分が楽しむためにも踊りながらやったほうが集中できる、と。でも日本だと、仕事を楽しむことに対して腹を立てる人や、「そんなことをしたら危ない」と正論を言う人が出てきそうですよね。

今回のコロナ禍でも感じましたが、何事にも完璧やゼロリスクを求めるとつまらない社会になる。最後には自分の首を絞める、みんなで苦しさを我慢するような社会になる気がします。

リスクや失敗を過度に恐れると挑戦しなくなり、挑戦しないと成長しないから、自己肯定感も下がってしまう…。

踊る警備員のような「異分子」をつぶさない、寛容な社会を目指すことで、最終的には自分にもメリットが返ってくると永崎さんは話します。

脱成長で成長できた! 40歳定年を実践して考えたこと

LH村の子供たち
Photo: 永崎裕麻

フィジーから学びたい3つのマインド、最後は「脱成長で成長しよう」。これは今回のトークイベント全体のテーマでもあります。

実は永崎さんご自身も、「脱成長で成長」の経験者。4年前に東大の柳川範之教授(※)が提唱する「40歳定年」を自ら実践し、会社(在フィジー)を辞めて家事育児に専念する1年を過ごしたのです。

※ 経済学者で「40歳定年制」の発案者。著書に『40歳からの会社に頼らない働き方(ちくま新書)』などがある。

30代40代の働き盛りは、子育ての面白い時期とどうしてもバッティングしてしまうと永崎さん。子どもと深く向き合えるのは今しかないと考え、仕事をセーブして時間を担保することを決めたと言います。

ローコストで生活できるフィジーは、これからのライフキャリアについて考える時間を確保し、「人生の後半戦」に向けてマインドを整えていくにはぴったりの場所でした。

永崎:子ども中心の生活はコントロールが効かないから、それまでの時間の使い方が全部壊れて、カオスのような状態に。そこからいろいろな学びが生まれ、自分が仕事に求める条件や、社会に貢献できることのイメージもクリアになっていきました。

あの1年で一番学んだのは、「ママたちってめっちゃ大変やん」ということ。妻へのリスペクトもめちゃくちゃ上がりましたし、道でママたちにすれ違うと帽子を取って敬礼したくなる。それは今の活動にも繋がっていて、子育てに関する連載をはじめたり、子育てサロンに参加したりしています。

LH脱力するフィジー人
Photo: 永崎裕麻

そしてこのときの経験から、「人間の記憶には計り知れない価値がある」と考えるようになったと永崎さん。

永崎:僕は「メモリー資本主義」と言っているんですけど、人には1億円積まれても消されたくない大切な記憶がありますよね。それは1億円以上の価値が自分にあるということ。

お金で1億円を稼ぐのはすごく大変ですから、だったらお金よりも「思い出」を稼いだほうが、自分にとっての「資産」は増えると気づいたんです。

参加者からの「40歳定年に向けて、何か事前準備はされていましたか?」という質問に、「資金として200万円貯めたことと、『辞めても大丈夫』という楽観性を磨くこと」と答えてくれた永崎さん。

「フィジー人と一緒にいると楽観性を磨きやすいから、ぜひいつかフィジーに来てください」と呼びかけました。

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Source: COLORS, 南国ライフスタイル LABO

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