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印南敦史の「毎日書評」

会話の「極端語」を抜くだけで変わる。コミュニケーションの損をなくすコツ

author 印南敦史
会話の「極端語」を抜くだけで変わる。コミュニケーションの損をなくすコツ
Photo: 印南敦史

人と話をしているとき、「つい、言い過ぎてしまった」と後悔することがあります。取り消すことができないだけに、ときには人間関係を壊してしまうことも。

一方、そんなことばは心の支えや、癒しになることもあります。たとえば、誰かからかけられたひとことのおかげで、気持ちが楽になって勇気づけられたとか。

だとすれば、好感を持ってもらえる人になるためには、どんな話し方をすればいいのでしょうか?

この問いに対して、『会話の9割は「言いかえ力」でうまくいく』(津田秀樹、西村鋭介 著、アスコム)の著者は次のように答えています。

大切なのは、人を傷つけたり・傷つけられたりしない言葉の使い方、「言いかえ力」を身につけることなのです。

「言いかえ」は、単に「ある言葉を別の言葉で言い直すこと」ですが、それをメソッド化した「言いかえ力」は立派なコミュニケーションスキルです。(「はじめに」より)

相手を嫌な気持ちにさせる「損することば」を、好感を持ってもらえる「好かれることば」に言いかえる「言いかえ力」を身につければ、いいたいことはきちんと伝えつつ、相手から好感を持ってもらえる話し方ができるようになるというのです。

第1章「傷つける言葉のトゲや毒を抜く「言いかえ力」のなかから、「極端語を使わない」に焦点を当ててみたいと思います。

「いつも」「全然」「ちっとも」など極端語を使わない

×:どうして、いつも遅刻するの?

○:どうして、遅刻するの? (20ページより)

最も簡単にできる言いかえは、会話のなかに含まれているトゲを抜くこと。最初に抜くべきトゲは“極端語”だそう。

たとえば相手が2、3回同じミスをしたときなどに、「いつも同じミスばかりして!」と叱ったりすることがあります。

この場合の「いつも」が極端語。つまり「2、3回」を「いつも」と極端に表現しているわけです。

《極端語》には「絶対」「ばっかり」「なんにも」「まったく」「〜だけ」「本当に」「全部」「全然」「すべて」「完全に」「ちっとも」「大○○」「みんな」「超○○」などや、「世の中には山ほどいる」「世の中で君くらいのものだ」などの言い方もあり、会話のなかに頻繁に登場しがちです。(21ページより)

もちろん、よいことを伝えるときに使うのであれば問題はありませんが、相手を責めるときに使ってしまうと、トゲだらけになってしまいます。(20ページより)

「伝えたい」という思いが“極端語”を増やしてしまう

×:悪い会話例

A上司「どうして、いっつも遅刻するの?」

B部下「すみません、反省しています」

A上司「ちっとも反省が活かされていないね。それで、会議の資料はちゃんと持ってきた?」

B部下「あ!しまった…うっかり忘れました」

A上司「ちょっとありえないよ。君だけだよ、こんなに注意されてるのは」

B部下「すぐに取ってきます」

A上司「時間のムダばっかりだね。そんなことだと、みんなから信頼されないよ」

(22ページより)

つい極端語を使ってしまうのは、自分の伝えたいことが、相手にちゃんと伝わらない、もの足りなさを感じるから。

おもしろい映画を観たとき、「あの映画、おもしろかったよ」と感動を伝えようとしても、相手は無感動な様子だったとします。

でも、それは当然。話し手のなかでは映画のシーンが蘇っているのでしょうが、相手が聞いたのは「おもしろかった」というひとことだけ。したがって、感動のしようがないわけです。

ところが話し手は、手応えがなさすぎて満足できないため、「石を投げてもポチャンと小さな音しかしないなら、もっと大きな石を」というように、ことばをだんだん強めてしまうのです。

「おもしろかったよ」で手応えがないなら、「超おもしろかったよ」とことばを強めたり、それでもダメなら「最高におもしろかったよ」などと“極端語”を使いたくなる。そのため、どんどん極端語が増えてしまうということ。(22ページより)

トゲを刺しても逆効果

とくに、人を叱ったり、文句を口にしたりするときには極端語を多用しがち。上記の会話例のように、「もっと相手にことばが刺さるように」と、トゲを増やしていってしまうわけです。

ところがそれでは、かえって相手の心に届きにくく、「そんなことないのに」と反論・反発されてしまうことにもなりかねません。

だからこそ、そうならないようにするべき。でも難しいことではなく、単に極端語を抜けばいいだけ。

たとえば先ほどの会話から極端語を抜いてみると、次のようになります。

○:良い会話例

A上司「どうして、遅刻するの?

(「いっつも」を抜くだけで非難ではなく相手の事情を聞く感じになる)

B部下「すみません、反省しています」

A上司「反省を活かしていこうね。それで、会議の資料は持ってきた?」

(「ちっとも」「ちゃんと」を抜くだけで嫌みがなくなる)

B部下「あ!しまった…うっかり忘れました」

A上司「社会人として、もう少し自覚を持とうね。忘れちゃう人はほかにもいるけど、君もしっかりしないとね

(「ありえない」を抜き、「君だけ」は「ほかにもいる」に言いかえる)

B部下「すぐに取ってきます」

A上司「時間は有効に使おうね。私は君に期待しているんだから

(「ムダばっかり」を「有効に使おう」に、「みんな」ではなく「私」は君に期待しているという前向きな言い方に)

(29ページより)

ここでは前向きな表現に言い換えたりもしていますが、まずは極端語を抜くだけでもOK。一歩ずつ、確実に習慣化していくことが大切だそうです。(25ページより)

このように、本書で紹介されているのは日常会話のなかで誰でも実践できる「ちょっとしたコツ」ばかり。伝えることで悩んでいる方は、参考にしてはいかがでしょうか?

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Source: アスコム

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