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印南敦史の「毎日書評」

まずはスマホの無駄を省く。人生を劇的に変える時間の使い方

author 印南敦史
まずはスマホの無駄を省く。人生を劇的に変える時間の使い方
Photo: 印南敦史

コロナ禍の影響から家で過ごす時間が増えていった結果、多くの人が「いまの生き方をいつまで続けるんだろうか?」と問いなおすようになったーー。

タイムマネジメント大全』(池田貴将 著、大和書房)の著者はそう指摘しています。

コロナウイルスによって外出できない生活がスタートしたとき、ようやく誰もが一人の時間のなかで、強制的に自分と向き合わざるを得なくなりました。

そして、一番大切な問いと向き合うことになったのです。

「自分の人生は、本当に仕事だけでいいのだろうか?」 「やりたいと思っていることをやっているだろうか?」 (「はじめに」より)

本書を書いたのも、改めて自分の人生を見なおしたいと感じた人に役立ててほしかたかったからなのだそうです。

根底にあるのは、「本気で人生を変えたいと思ったら、まずは時間の使い方を変えなければならない」という考え方。

そしてポイントは、いまの自分が、どんなことにどれだけの時間を使っているのかを知ること。その結果、「このままの時間の使い方ではだめだ」と気づくことができ、「新しい人生のスタートライン」に立てるというのです。

そんな本書の第5章「集中力で時間の密度を上げる」のなかから、きょうは「スマホの通知をオフにする」に焦点を当ててみたいと思います。

スマホのアプリを整理する

著者は集中を邪魔するいちばんの要因として、スマートフォンによる通知を挙げています。

そこで集中をスマートフォンの通知で邪魔されないための策として勧めているのは、すべての通知をオフにすること。また同様に、PCでもすべての通知をオフにすることを勧めています。

とくにポップアップで知らせてくるメールや、お気に入りのブログや動画などの更新情報は、無視しているつもりでも集中を途切れさせるもの。そこで「設定」から、すべてをまとめてオフにすべきだというのです。

著者は通知をオフにしてから、ほとんど必要のないアプリが多数あることに気づいたそうです。それまでは通知が来るたびにSNSやネットニュースを見ていたものの、通知をオフにした結果、それでもとくに困らないことがわかったというのです。(195ページより)

いらないアプリを消す

なおアプリを消すには、「デジタル片づけ」という手法が有効だそう。『デジタル・ミニマリスト』という本を書いたジョージタウン大学准教授のカル・ニューポート氏が提唱する手法で、手順は以下のとおり。

1:30日間のリセット期間を定め、必要でないテクノロジーの使用を休止する

2:30日間のあいだに楽しくてやりがいのあることを新しく探したり再発見する

3:休止期間が終わったら休止していたテクノロジーを再度取り入れ、ひとつひとつ、自分にとってのメリットを認識して最大化できるように使う

(197ページより)

いわばこれは、デジタル・デトックスであると同時に、ライフスタイルの再構築。

スマートフォンの奴隷になるのではなく、「自分がどのような人生を送るか」を自分で決め、その補助としてテクノロジーを使いこなすために、使う機能を主体的に選択するということ。(197ページより)

スマホの支配から逃れる

ニューポート氏によれば、デジタル・デトックスを行った人は、呪縛から解放されて家族と過ごす時間も増え、子どもとの距離も縮まったのだそうです。

しかも、退屈を感じたとき、習慣的にスマートフォンを手にすることをやめても、手に入るメリットが減ったとは感じなかったのだとか。

だとすれば私たちは、テクノロジーのメリットを享受しているのではなく、多くの場合は単に暇をつぶすために画面を見ているということになりそうです。(199ページより)

スマホに消灯時間をつくる

なおニューポート氏は、アプリを削除し、いつでも手元に置いておくのをやめることだけではなく、スマートフォンに「消灯時間」を設けることも勧めているそうです。

それは、「午後9時〜午前7時までは、電源を落として使わないようにする」というもの。そうすれば、いつの間にか時間が吸い込まれて消えていた、ということも起きないわけです。

ちなみにニューポート氏の友人には、腕時計を購入したという人もいたといいます。なぜなら、それまで無駄な時間を過ごしてしまうきっかけのひとつに、「時間を確かめるためにスマートフォンを手にする」ということがあったから。

思い当たる方もいらっしゃるのではないかと思いますが、そんなことからも、「触る」「見る」といった単純な接触から受動的な時間が始まってしまうことがわかるのではないでしょうか。

人間はもともと怠け者で、オンラインで友情が深められるならば、そのほうがいいと考えがちだと著者は指摘しています。しかし、そうやって育まれる友情は、現実に会って交流することにくらべれば大きく劣るもの。

しかもそれだけではなく、スマートフォンはいま目の前にいる人との時間をも台無しにしてしまいます。

たとえば目の前の相手から深刻な相談をされているときであっても、メールの通知音が鳴ったり、スクリーンに通知が届いたら、無視できないのが私たちだということ。

だからこそ、人生を自分の手に取り戻すためにスマートフォンと距離を置き、目の前にある瞬間を楽しむことに意識的になってみるべき。そんな著者の主張には、強い説得力があります。(199ページより)

どこからでも好きなところから読むことができ、しかも書かれているのは、すぐに使えることばかり。

したがって、時間の使い方や働き方、生き方を見つめなおしたいという方にとっては使い勝手のいい一冊ではないかと思います。

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Source: 大和書房

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