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WORK FAST, LIVE SLOW. 「好き」だけ残して、シンプルに生きる

ブレない「自分軸」の見つけ方。人は必ず変わることができる

author 中村真紀
ブレない「自分軸」の見つけ方。人は必ず変わることができる

新しく始まった特集『「好き」だけ残して、シンプルに生きる』は、ライフハッカー[日本版]の新コンセプト「WORK FAST, LIVE SLOW.」を体現するようなキーパーソンのインタビュー集です。

第4回は、Zアカデミア学長で、武蔵野大学アントレプレナーシップ学部長など数多くの肩書を持つ伊藤羊一さんのインタビュー。 今回は前編『まず目の前の仕事に全力を出せ。出会いもやりがいも後からついてくる』に続いての後編です。


伊藤羊一(いとう・よういち)

Zホールディングス株式会社 Zアカデミア学長/武蔵野大学アントレプレナーシップ学部 学部長

日本興業銀行、プラスを経て2015年よりヤフー。現在Zアカデミア学長としてZホールディングス全体の次世代リーダー開発を行う。またウェイウェイ代表、グロービス経営大学院客員教授としてリーダー開発を行う。2021年、武蔵野大学アントレプレナーシップ学部(武蔵野EMC)学部長就任。代表作に50万部超えのベストセラー『1分で話せ』(SBクリエイティブ)。ほかに『1行書くだけ日記』(SBクリエイティブ)『ブレイクセルフ』(世界文化社)など。

「意思決定」って、「やること」を決めることでもあるけど、逆に言えば「やらないこと」を決めることでもある。特にリーダーには、その資質が求められます。

僕のキャリアの中でいうと、大きな決断を迫られたのは東日本大震災。文房具やオフィス用品を取り扱うプラス株式会社に勤めていた44歳の時でした。

物流、商流の復旧をリーダーとして担当したんですが、平時のように日本各地に商品を届けることはできない。そこで、本部のすべてのリソースを東北に集中させ、東北の物流を最速で復旧させることを決断したんです。

関東や関西はすぐに経済が再開し始めていたから、そこに納品すれば売り上げが立つのはわかっていました。でも、まずは東北のために。販売商品の中には被災地の復旧に役立つものが多かったこともあって、決めました。

軸があれば、決断できる

この時、気づいたんです。自分の中に軸がないと、決断できない。でも軸さえあれば、答えはおのずと出てくるんだ、と。

「自分の軸」っていうと大げさですけど、前編でお話しした習慣化と同じことで、すべては小さなことの積み重ねなんです。何を積み重ねるかというと、自分の「生き様」

自分はどう生きていきたいかということを考えて積み上げていく一つひとつが、実はすべてつながっている。そうやってイメージすることが大事です。

もちろん常に想像した通りにはいかないけれど、「つながっているというイメージを持つ」こと自体がすごく重要。

さらにそれを、きちんと言語化すること。頭の中で考えているだけの時は、まだ何も概念化できていない。言葉にして人に話したり、自分自身に語りかけたりしてみてください。

まさに自己暗示ですけど、それがいつの間にか大きな軸になっていくんです。

人が変わる瞬間の笑顔を見ることが趣味

僕の軸は、「人は変わることができる」です。自分自身、20代でメンタルをやられていた銀行員時代から、40代にはプラス株式会社で大きな決断をできるまでに至った。この経験があったからこそ、「人は変われる」という軸はブレません。

だって、僕が変われたんだから。誰にだってできることなんです。

今の僕の活動のメインテーマは「教育」。2020年4月、武蔵野大学にアントレプレナーシップ学部が新設されて、そこの学部長をやっています。

これまでもYahoo!アカデミア(現Zアカデミア)の学長やビジネススクールのグロービス経営大学院講師などを務めてきましたが、いずれも相手は社会人でした。もうちょっと若年層からやったほうがいいんじゃないかな、と。そう考えていた時に、ちょうど武蔵野大学から話をいただいたんです。

この学部は、1年次は全寮制にしたんですけど、今は僕も一緒に住んでいます。

仕事はもう本当に多岐にわたります。カリキュラムの打ち合わせもあれば、「洗濯機が動かない」「WiFiがつながらないんですけど」みたいな苦情受付まで。管理人のおじさんみたいな感じです(笑)。

そんな中で、学生の意識がガラっと変わるところを目の当たりにした時は、やっぱりうれしいですよね。仕事自体はいっぱいいっぱいで、「ヤバイ、間に合わない…」と絶望する毎日。

でも、結果的に生徒の笑顔を見るのが趣味みたいなものなので、そういう意味では好きな仕事をさせてもらっていますね

フラットになった選択肢から、何を選ぶか

01

僕が考える人生のテーマは、「Free, Flat, Fun」です。今回、コロナの感染拡大があり、社会全体がよりこの考え方に近づいたように思います。

「Free」というのは、なんでも自由にやっちゃえ!ということではありません。「当たり前からの解放」というイメージです。

たとえば、これまではオフラインとオンラインだったら、オフライン、つまり実際に出社するのが当然、という価値観だったけれど、もうそんなことはないですよね。

都市か地方か、密か疎か、といったことも同じ。すべての選択肢が「Flat」になって、そこから何を選んでいくかという話なんです。

すべての選択肢が平等に存在する社会になった時に、どうやって「Fun」、楽しい人生にしていくのか。そのためには、自分で自分をリードしていくということがすごく重要になってくる。

僕は「Lead the Self」という言い方をしているんですけど、いかに自分自身を導くか。ここでも、自分の軸がはっきりしていれば、決断に迷わないと思います。

ワーケーションで一人ブレスト

ワーケーションしまくるんですよ、僕。去年はコロナでなかなか難しかったけど、それでも10回くらいは行きました。でも「一週間、離島に」とかじゃなくて、基本2泊3日くらい。箱根、軽井沢、逗子とか、比較的近場が多いです。

そこで何をするかっていうと、クリエイティブの仕事。一人ブレストしているか、本の原稿を書いているか。2日半もクリエイティブな仕事をする時間ってなかなかとれないと思うんですけど、ものすごくはかどりますよ。1冊分の本の初稿くらいなら、大体2泊3日で書い上げちゃいますね。

ワーケーションに行くってなったら、出掛けた先でまで事務処理とか会議をしたくないので、出発日までに必死に終わらせる。で、帰って来たら来たで仕事がたまってるから、またガムシャラにやる。仕事効率がすごく上がるのでおすすめです。

もう今は、仕事が趣味みたいな感じですね。武蔵野大学の寮から自宅に帰るのは、週に1回着替えを取りに行く3時間くらい(笑)。「ワークライフバランスを大切に」なんて言われると困っちゃうけど、この生き方こそが、今の僕の「ライフ」なんですよね。

My Routine

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自身で「毎日が修羅場」と言うほど、壮絶なまでに忙しい伊藤羊一さん。そんな日々だからこそ、1日の終わりには意識的に「リセットする時間」を作っているといいます。

「日記を書いて、散歩して、風呂に入って、瞑想してから寝る。日記は、『1行書くだけ日記』って本を出しちゃったから、というのもあるんですけど(笑)。まあ、昔からつけていて。振り返る習慣をつけることはすごく大事だと思っています」

日記でノートの上に言葉を落として、散歩でごちゃごちゃした頭の中を整理したら、お風呂に入って体もさっぱり。そして最後に瞑想。頭と体の垢を全部落とすような感覚だといいます。上の写真は散歩中に伊藤さんが撮ったカット。

そして翌朝には熱いお風呂に入るところから1日がスタート。これが伊藤羊一さんのルーティーンです。

▼前編はこちら

まず目の前の仕事に全力を出せ。出会いもやりがいも後からついてくる

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