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肩の荷を下ろし、心を軽くする方法

author 訳:的野裕子
肩の荷を下ろし、心を軽くする方法
Image: Getty Images

男性が鬱になったり、不安に悩まされたり、死にたいという気持ちと闘ったり、女性よりもはるかにセラピーを求めない傾向にあります。

精神的な苦痛に直面しても男は強くあらねばならないという考え方は、根深く染み付いており、そのことによって米国の女性よりも、薬物乱用、殺人、自殺の割合が高く、平均寿命が短くなっています。

時代遅れな社会通念が男性を苦しめる

ニューヨーク・ブルックリンの認定精神衛生カウンセラーであるJustin Lioiは、言います。

私たちの社会は、男性は答えを持っており、持っていない場合は、自力で解決できることを奨励します。

男性が不安な状態でもいい、無力なままでもいいという自由とサポートを受けられる場所は多くありません。

現在、セラピーに通う多くの男性には、古風な男らしさの概念が染み付いています。時代遅れな社会通念によって、男性は精神的に安定した手本として持ち上げられ、家族を守り、お金を稼ぐことを期待されています。

しかし、多くの男性が話しているように、セラピストと一緒に部屋に座って感情を打ち明けることよりも、セラピーに行くのに抵抗することの方がはるかに破滅的なことです。

セラピーに行かないと悪化する

ニューヨークのマーケティングマネージャーBrenton Chapmanは、以前の結婚、仕事のストレス、「未解決のトラウマ」を含む問題が雪だるま式に大きくなり、2018年の夏に病院に行ったことについて話しています。

この出来事は、トラウマ的なものでしたが、最終的には自分の考え方を大きく変える啓発的なものとなりました。セラピーを通して自分が変わっていき、回復の道を推し進めたと言います。

しかし、Chapmanが病院に行ったのは、セラピーに対する生涯に渡る個人的なわだかまりだったと言います。米Lifehackerへのダイレクトメッセージで、Chapmanはこのように書いています。

私は10代の頃から、境界性パーソナリティ障害を抱えて生きてきましたが、助けを求めたり、診断を受けたりすることはありませんでした。

自分で問題に対処して、解決できるはずだと信じて育ったからです。

セラピーが助けになると思っていなかったし、セラピーに行くことは弱さを認めることになると思っていました。

引退した金融関係の専門家Matthew Weatherly-Whiteも、セラピーや精神治療に対して同じような偏見を持っており、精神的苦痛が個人や仕事の人間関係に影響を与えても、人生が進んでいくのを見るだけでした。

私は、結婚、仕事のパートナーシップ、それに数十億の資産管理会社の共同創業者としての役割を壊しました。すべて、私がセラピーは意思の弱い、心の弱い人間のものだと考えていたせいです。

人間関係が崩壊寸前でくる男性が多い

精神的な問題を無視している男性が、恋愛や人間関係に苦しんでいることがよくあります。

前述のセラピストLioiは、「男性と関係のある女性からの紹介で、私のところに来る人は多いです。最初にその女性から電話がかかってくることもあります。男性が常に他者に“感情的な負担”を掛けていると、その人間関係がすぐに共依存になりがちです」と言います。

また、男性は最終手段としてセラピーを受けることが多く、その時には大事な人間関係が崩壊の瀬戸際にある、とLioiは言います。

もう別れると言うパートナーや、怒りの問題をコントロールする必要があると言う上司など、誰かをセラピーのところに連れて行くのは、その関係を失う、もしくは失う恐怖を伴うことがあります。

原因は子どものころに?

米国心理学会が、はじめて男性と少年のためのガイドラインを発行したのが2019年ということを考えると、男性がセラピーを受け入れ難かったのは驚くことではありません。

子どもの頃から、少年にはストイシズムが内在しており、自分の感情を説明したり、複雑で微妙な感情に対処したりする準備ができていません。

米国心理学会は、2005年に青少年についてこのように書いています

青少年は、泣いたり、悲しい表情を見せるというような、感情的な反応を抑えることを学びます。そのため、大人になった時に、自分のそのような感情や、感情を表現する言葉をまったく知りません。

正直に感情を口に出してもいい場がなければ、男性は自分自身を表現するはけ口がないことが多く、さらに悪い場合は、自分の問題に対して脆弱であることからくる弱さに麻痺しています。

しかし、幸いなことに、苦しむかどうかは自分次第です。

感情的に弱いことについて社会的な条件を付けられている世代から逃れることは難しいですが、男性がセラピーを受ける様々な方法があるので、そこまで怖気づく必要はなさそうです。

セラピーについて男性が言うこと

イギリス・ロンドンを拠点とするジャーナリストEdward Clowesは、セラピーに通うのを懸念している多くの男性と同じく、自分に及ぶかもしれない害よりも、自分の感情を話すことの方が気がかりでした。

Clowesは、米Lifehackerにこのように話しています。

同年代でセラピーに行ったことがある人を知りませんでした。

セラピーに男性が行くことの社会的な不名誉のせいで、私は自分に欠陥があるとか、女々しいと思われるかもしれないことを、少し心配していました。

しかし、Clowesは治療が的を射ていて、すぐに効果があることに気づきました。

すぐにピンときました。非常に素晴らしいセラピストで、まさにその時私が人生で必要としている人でした。弱いとか、壊れていると思われる恐怖は、最初の1時間が終わった時には解消していました。

今では、毎週カウンセリングに通っており、Clowesは比喩を使って、他の男性が助けを求めるのを妨げている有害な連想を払拭させるようなことを言っています。

男性は、セラピーを自分を向上させる他の行動と同じように考えた方がいいです。体の健康のためでなく、心の健康のためにジムに通うようなものです。

オンラインカウンセリングから始めよう

セラピストのところにはじめて行く時の、怖気づく気持ちを和らげるひとつの方法は、パンデミック中に多くのカウンセラーにとって当たり前となった、オンライン・セッションから始めることです。

「オンライン・カウンセリングは、セラピストのところに行って、自分の問題を話すことが怖すぎる多くの人たちを、実際に救いました。オンライン・セラピーは、自分の家にいられるので、より正直になれ、弱さを見せられる適度な距離があります」とLioiは言います。

社会的な不名誉を解消するもうひとつの方法は、カウンセリングを受ける前に、精神的に悩んでいた様々な男性が、どれほどセラピーに助けられたかを聞くことです。

PRの専門家Dannyは、自分のセラピストは「私の知らない、私の望んでいる正しい方向に、私を導くのが上手いです」と言っています。

昨年のほとんどの時間をカウンセリングに費やしたDannyは、「2020年にあれほど時間をかけていなければ、2021年に確実に傷を負わずに成長し続けるよう、積極的に取り組んでいる、今の私はいません」。

当然ながら、必ずしもそこまでスムーズにセラピーの効果が出るとは限りません。

自分の目標やニーズに合った、効果のあるメソッドを使う、適切なカウンセラーを見つけるのに時間がかかることもあります。


アメリカでは、セラピーに通うのに経済的な負担がかかることもあるので、自分に合ったセラピーを探すには、保険がきくカウンセラーなのか、自分の使いたい支払い方法があるかなど、必ず下調べをしましょう。

しかし、一度自分に合うセラピーが見つかれば、精神的に健康になるという最終的な幸せな結果に浸ることができます。最初のセッションが終わった後、「羽のように(心が)軽い」と感じたClowesは、すでに他の男性もセラピーの可能性を模索することを願っています。

カウンセリングを通して、私の旅はまだ始まったばかりですが、友だちの一人に最近はじめてのセラピストを探し始めるよう勧めています。

彼が怖気づかず、少しでも普通にセラピーを受けられる手助けができたとしたらうれしいです。

カウンセリングに行くのを普通のことにしようとする男性が増えるにつれて、不名誉なイメージとTwitter上のジョークが少しずつ減り、希望に満ちた新しい未来になるでしょう。

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Image: Getty Images

Source: BBC, APA(1, 2

Sam Blum - Lifehacker US[原文

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