
ハウスダストやダニがいちばん気になるのは、梅雨時から夏場だけ──と思っていませんか?
実は冬場の対策こそ、1年中快適に過ごすためのポイント。ハウスダスト対策の第一人者に、見落としがちな「冬場のハウスダスト・ダニ対策」について教えてもらいました。
「ハウスダストやダニが怖いのは夏だけ」という誤解

今回お話を伺ったのは、エフシージー総合研究所暮らしの科学部 取締役・暮らしの科学部部長の川上裕司 博士(農学)。
害虫や微生物が原因で起こる住まいの問題のスペシャリストである川上博士は、
「ダニやカビ対策は夏場だけのもの、というのは間違った考え方。冬も気をつけないと複数の生物アレルゲン(※)に暴露されることになる」
と警鐘を鳴らします。
(※)生物アレルゲンとは、室内に生息したり、屋外から侵入したりするダニ・昆虫・カビなどの生物由来の抗原の総称です。
実はハウスダストのなかには、食べ物のかすやほこりに加えて、微小な昆虫、ダニ、クモなどの死骸やふんが含まれています。
これらがハウスダスト由来のアレルギー症状を引き起こすと言われています。
「確かに、ダニ・カビ・昆虫が急速に増えるのは梅雨時から10月半ばくらいまで。しかし、その死骸が乾燥して細かく分解され、ほこりに混じって室内に飛散するのは秋からが本番です。
秋冬の対策を怠ると、春先のスギ花粉のシーズンが来て複数の要因が積み重なり、様々な症状が出やすくなってしまいます」(川上博士)
冬場の結露を放っておいてはいけない

この要因は、現代の日本の住宅の構造にあると川上博士。
「マンションなど、現代の住宅の多くは風通しが悪く気密性が高い。室内の空気が入れ替わりにくく、ハウスダストが貯留しやすくなっています。
昔にくらべてモノや家具が増えているので、それらの下にもハウスダストが溜まったまま。
冬場は加湿器の使いすぎや、結露も問題です」(川上博士)
意外にも「結露」が、気をつけるべきポイントなのだとか。
朝起きると窓ガラスに水滴がついていたり、サッシに水がたまったりする家は要注意と川上博士。
「結露で湿気が高まると、冬でもカビやダニが増えます。ダニは高温多湿を好むと思われがちですが、低温多湿を好むものもいるんですよ」(川上博士)
カビが増えると、カビをエサとするチャタテムシなどの昆虫も寄ってくるそう。増えたダニや昆虫を放置すると、カビや人の抜け毛・あかなどをエサとして増殖してしまうといいます。
サッシや窓につく「ユスリカ」にご用心

また、ハウスダストにはダニ・カビなど室内を発生源とするものだけでなく、屋外を発生源とするものもあると川上博士。
「都市河川などに生息するユスリカというハエ目の飛翔性昆虫は、アレルゲンとして問題視されています。
ユスリカのような走光性のある昆虫類は、夜間に光を目指して家のガラスやサッシにつき、そこで死骸となります。これが乾燥して、換気の際に室内に入ってきてしまうんです」(川上博士)
これまでは、夏が本番というイメージだった「ハウスダスト・ダニ対策」。冬場も大事であることを認識しましょう。
住宅事情から秋冬も増えやすい環境になっていること、換気などで外からも昆虫が侵入していることを知ると、冬場の対策が不可欠であることがよくわかります。
「寝室」はハウスダストのホットスポットに

とはいえ、共働きが一般的になり、昔のように年末の大掃除にかける時間も余裕もないのが現実。
手間をかけずに対策したい! 普段の掃除で効果的にハウスダストやダニを除去する方法はあるのでしょうか。
「現代の住宅で、とくに気をつけたいのが寝室です。
多くの家はリビングの日当たりを重視していて、逆に寝室は湿気がち。ベッドも部屋の奥ではなく、結露が起きやすい窓側に置いていませんか?
さらにベッド下は掃除しにくいので、ハウスダストが溜まりやすいもの。
1日のうち6~8時間、子どもなら10時間近くを過ごすベッドまわりがダニやカビの温床となっていて、ハウスダストを吸引しながら寝ているというのは非常に問題です」(川上博士)
普通に掃除をしているつもりなのに、布団やベッドに入るとなんとなく目や鼻がムズムズする、涙が出るというときは、ハウスダストなどのせいかもしれません。
まずは、寝室掃除を習慣化することから。以下のポイントに注意して対策をしてみてください。
寝室の「ハウスダスト・ダニ対策」10の基本

1. 掃除は週1回、ベッドの下までしっかりと
週に1度は部屋の隅々まで掃除機をかけ、ハウスダストをしっかり除去。できればベッドも動かして下に溜まったほこりを除去しましょう。
2. 窓やサッシの結露を放置しない
結露はカビやダニの発生を引き起こします。加湿器の過剰使用による窓ガラスの結露は問題です。温湿度計を設置して、70%以上の湿度にならないよう時々換気しましょう。
3. カーテンのカビ・ほこりを放置しない
冬に窓が結露するとカーテンが湿り、カビが発生することがあります。カビがついていたら漂白剤で殺菌してから洗うこと。
カーテンにはカビ以外のハウスダストもたくさん付着しているため、掃除機でほこりを吸引するのもおすすめ。
4. 窓サッシの汚れ・ほこりを放置しない
窓サッシの汚れやほこりには、生物アレルゲンとなる微小昆虫の死骸が含まれています。放置すると換気の際に室内に入ってしまうため、掃除機のノズルなどでしっかり除去しましょう。
5. 本棚のほこりを放置しない
めったに掃除されない本棚はハウスダストの温床。本の茶色いシミは乾燥に強いカビの代謝物で、このカビは生物アレルゲンです。
カビをエサとするチャタテムシという微小昆虫も発生するため、本にたまったほこりは除去してください。
6. エアコンフィルターのほこりを放置しない
フィルターのほこりを放置すると、エアコンをつけるたびにハウスダストが空中に飛散します。
こまめに掃除機などで吸い取るほか、定期的にフィルターを取り外し、塩素系カビ取り剤で水洗いしましょう。
7. 布団は叩かず、干したあとで掃除機を
布団の湿気はカビやダニを呼ぶので、週1回は天日干しを。
日光の熱量が多い午前10時~14時の間に、できれば裏・表・頭側・足側の4回、難しければ裏・表の2回はひっくり返しましょう。
表面についたハウスダストを除去するためには、干した後に掃除機に布団用ノズルをつけて吸引すること。布団叩きで叩くのは逆効果です。
8. マットレスカバー/敷布団カバーもきちんと洗う
マットレスや敷布団にカバーをかけ、その上にさらにシーツをかけていませんか?
その場合、シーツは洗ってもカバーは洗濯しない人が多く、布の間にほこりがたまりやすくなります。カバーも忘れずに洗いましょう。
9. マットレス/敷布団は向きをローテーションしながら使う
同じ向きで使い続けるとスプリングやクッション材が傷んで変形し、ほこりや湿気がたまりやすくなります。
できれば月1回、難しければ2カ月に1回は使う向きを変えましょう。
向きを変えるときは換気をし、しばらくマットレスをベッドの枠に立てかけて、乾燥させてからセットするのがおすすめ。
このときにベッド下も掃除すれば万全です。
10. 寝具の「ハウスダスト・ダニ対策加工」を過信しない
「ハウスダスト・ダニ対策加工」は、製品によって効果にかなり差があります。
選ぶなら薬品的な加工を施したものよりも、物理的にシーツの目が非常に細かく、ダニを通さないという意図でつくられたものがおすすめです。
ハウスダスト対策に「紙パック式掃除機」は不向き
ダニやカビ、ハウスダスト対策には、「こまめに掃除をする」という当たり前の対策が何よりも大切だと川上博士。しかも、掃除機ならどれでもよいというわけではありません。
「掃除機の特徴として、微小なカビやハウスダストを吸引できる吸引力があることと、排気口からハウスダストを排出しない性能があるかを見てほしいです。
実は紙パック式の掃除機は、サイクロン式の掃除機とくらべて排気口からカビを排出しやすいというデータがあります」(川上博士)
サイクロン式の掃除機は、遠心力で空気とハウスダストを分離し、クリーンな空気を排出するというメリットがあります。
掃除機ではじめる手軽な「ハウスダスト・ダニ対策」

川上博士のレクチャーを元に、使いたいときサッと手に取れて、週1回の寝室掃除も快適に使えるものは?と考えたときに、真っ先に候補に上がったのが、Dyson Digital Slim ™(ダイソンデジタルスリム)コードレスクリーナー。
コンパクトなのに、ハウスダストやダニの死骸のような微細なゴミまで取り除く吸引力。吸い取ったほこりを外に出さない排気のきれいさ。
お手入れがラクで、忙しくても簡単に効率よく掃除ができる機能性を考慮すると、日常的なハウスダスト対策のベストな選択かもしれません。
1台3役、軽くてコンパクトなのにパワフル

実際に手に取ってみると、驚くほど軽く取り回しがラクなDyson Digital Slimコードレスクリーナー。
ダイソンならではの吸引力はそのままに、Dyson V11シリーズ(2019年モデル)よりも25%軽く、20%小型化しています。
クリーナーヘッドも薄くなっているので、狭いベッド下の隙間や、家具の下の奥まった場所のほこりも逃しません。
壁掛け式の収納用ブラケットや自立式の専用充電ドックを設置すれば、いつでも使いたいときに手に取れます。
フル充電のエコモードで最長40分運転でき、これだけ使えれば室内すみずみまで掃除が可能です。
アタッチメントを替えれば、家中1台で

Dyson Digital Slimコードレスクリーナーは、スティッククリーナー、ハンディクリーナー、布団クリーナーと1台3役。
床だけでなく、ベッドの下やマットレス、棚の上など、ハウスダストがたまりやすい寝室の掃除にもぴったりです。

ダニが増えやすくハウスダストがたまりがちな敷布団やベットパット、マットレス、毛布などの寝具は、付属の「ミニモーターヘッド」をつけて吸引。
布に入り込んだゴミや髪の毛をパワフルに掻き出して吸い取ってくれます。ソファの掃除にもいいですね。

「隙間ノズル」は掃除しにくい狭い隙間にぴったり。ツール先端の早い空気の流れで、頑固な窓サッシの汚れやほこりもすっきり吸引できます。

先端のブラシを出し入れできる「コンビネーションノズル」なら、散らばった細かいゴミもサッと取れます。

本棚の本にたまったほこりも、ひと撫ででかなりすっきり。
付属ノズルのクオリティもダイソンらしく、先進テクノロジーが凝縮されています。
掃除しにくい場所にたまるハウスダストや、それをエサとして増殖するダニなどを退治するためには、見落としがちな細部まで届く、これらのノズルが強力な武器になってくれるはず。
いつもの掃除できちんとクリーンに

Dyson Digital Slimコードレスクリーナーがあれば、いつもの掃除できちんと微細なゴミまで取り除きおのずと「ハウスダスト・ダニ対策」が可能に。
特別な掃除をする手間や時間をコンパクトに。
無理なく快適な空気と室内環境、面倒な掃除に縛られない自由時間を手に入れられそうです。
川上裕司 博士(農学)
株式会社エフシージー総合研究所 取締役 暮らしの科学部長 IPM研究室室長。 国立病院機構 相模原病院臨床研究センター 診断・治療薬開発研究室客員研究員。抗菌、防カビ、防虫関連商品の検査や製品異物混入検査、 生活に関わる害虫や微生物の研究を長年続けている。また、大学や国公立の研究機関との共同研究として、マイコトキシンやアレルゲンに関する研究を続け、学会発表を毎年行っている。
Source: Dyson Digital Slimコードレスクリーナー
Photo: 中山実華,ライフハッカー[日本版]編集部
Image: Shutterstock
田邉愛理
ランキング
- 1
- 2
- 3
- 4
- 5