連載
特集
カテゴリー
タグ
メディア

書評

部下の目標達成を実現するために、いま活用したい2つのポイント

部下の目標達成を実現するために、いま活用したい2つのポイント
Photo: 印南敦史

リーダーとしてチームを動かしていくのは、なかなか難しいもの。事実、そのことで悩んでいる方も多いのではないでしょうか?

そこで参考にしたいのが、『目標達成するリーダーが絶対やらないチームの動かし方』(伊庭正康 著、日本実業出版社)。

ライフハッカー[日本版]でも仕事効率化コラムを連載している著者の説明によれば、「リーダーとしてチームを率いる立場にいる人が、どのようにして部下やチーム全体の目標を達成させていけばいいのかについて解説した」書籍です。

「目標達成に向けてチーム一丸となる」ということは、「なぜ、できなかったのか?」「あの人に負けるな!」というように数字(結果)を求め続けさせる状態であると思われがち。しかし、そんな考え方を著者は否定しています。

なぜなら現代においては、すべての社員がアスリートのように「目標達成のために必死になっている」わけではないから。

多様な背景を持つメンバーが、それぞれの事情や状況と対峙しながら仕事に臨んでいるからこそ、チーム全体の本気度を、「最初から」ではなく「やっているうち」に上げていくべきだということ。

あたかもゲームのごとく、やっているうちに、気がついたら「ハマっている」――そんな世界をつくるのが、多様な価値観、バックボーンを持つ部下に対する、目標達成のマネジメントの勘所なのです。(「はじめにーーどんな環境においても、部下を「ワクワク」させながら目標を達成させてこそ、一流のマネジメント」より)

では、そのためには具体的にどうすればいいのでしょうか?

第3章「チームの各メンバーの目標を必ず達成させるマネジメント」に焦点を当て、2つのポイントを抜き出してみたいと思います。

「やさしく」しても「甘く」はしない

「こんなことをさせたら、辞めてしまう」と考えてしまい、部下にさせるべきことを“なかったこと”にしてしまうことがあるのではないでしょうか。

しかし、そのように部下に甘く対応すると、上司も部下も地獄のスパイラルにはまってしまうと著者は指摘しています。

つまり部下の目標を達成させるためには、甘さとやさしさをはき違えてはいけないということ。

たとえば、1日50件の営業電話をかけなければ達成しない目標があるのに、30件しかかけていない部下がいたとします。

そんななか、上司が「これ以上の架電を求めると辞めてしまうかもしれないから黙認している」としたら、それは「甘さ」。一時しのぎの対処であり、長い目で見ると事態を悪化させるものであるわけです。

甘くすると、かえって目標達成の難易度が高まってしまい、さらにはメンバーの自信喪失、職場の不審が生まれる可能性も。部下を辞めさせないようにと「甘く」した結果、かえって離職のリスクを高めてしまうこともありうるのです。

一方、「やさしさ」は甘さとは異なるもの。

部下に示した手法がストレスフルなものであれば、他の「勝ち筋」を考え出すべき。場合によっては、ストレスフルな仕事であったとしても、楽しくできる方法を考えることが必要となることもあるでしょう。つまり、それが「やさしさ」。

わかりやすくいえば「やさしさ」とは、一時しのぎではなく、相手のことを思い、長い目で見れば状況をよくするものなのです。

なにかを「強化」しようとすると、必ず副作用が出てくるものです。そのため、副作用に対応できるように対処しておくべきだということ。

厳しい要望をした場合、「自分には無理」と早々に諦める部下もいるはず。したがって、そんな「副作用への対応」も考えなければならないのです。

そういった場合、「一緒に作戦を考え、やることを絞る」機会を設けるのが効果的だそう。部下をひとりにせず、厳しい目標に対して積極的にサポートする、それがやさしさだというわけです。

うやむやにせず、しっかりと関与する姿勢は部下からも信頼されるはず。また、上司があきらめない姿勢をみせることで、部下の成長を促すこともできるといいます。(116ページより)

NG 部下のために 自分からの「要望」を甘くする

→ 部下のためを思って自分からの要望を甘くしてしまうと、結果的に目標達成ができず、部下からの信頼も得られません。

OK 要望は変えず 「打開策」を一緒に考える

→ 要望に対してどう向かっていけばいいのかをリーダーが部下とともに考え、打開策を見つけることが、チーム全体の成長につながります。 (119ページより)

「残業する」ことを前提としない

働き方改革が叫ばれるなかにあっても、残業が当たり前のように行われる職場は少なくないでしょう。しかし、残業を前提とするマネジメントはやめるべきだと著者は主張しています。

いくら目標が厳しいからといって、残業を前提とするのは時代とミスマッチだから。

現在の職場においては、育児や介護などで忙しい社員もいることを考慮してマネジメントをしなければなりません。

また、キャリアアップのための学校に通いたいけど、会社の仕事を優先して、通うのを我慢している人もいるかもしれません。

だからこそ、残業を前提としたマネジメントは、人によっては、もはやパワハラに等しいわけです。この感覚を持てるかどうかは、これからの時代のリーダーとしてやっていけるかどうかを決める試金石であると心得ておきましょう。(120ページより)

残業を前提としない代わりに重要になるのは「メリハリ」

たとえば、どう考えてもその日の目標の達成が困難だったとしましょう。そんなときにはさっさと切り上げて、翌日、確実に取り返したほうが、断然メリハリがついて成果も上がるわけです。

つまりは、残業を前提としたマネジメント、オペレーションをしないことが大切だということです。そうすれば心身の健康を保つこともでき、生活の質もよくなるから。

そのため、もしも職場にそういった風潮がないのなら、率先してやってみるべきだと著者は勧めています。そうすれば新しい風がチームに吹くはずで、それこそが「いまの時代」の流れだから。(120ページより)

NG 「多少の残業は仕方がない」と考える

→ 個々の社員の働き方が多様化している今、忙しいからと社員に残業を求めるのは、マネジメントとして適切ではありません。

OK 「終了時間を決める」ことで 日中の集中力を最大化する

→ 仕事にメリハリをつけさせたいのであれば、今日の目標が未達成であっても明日に回し、集中して確実に取り返すほうが効果的です。

(123ページより)

どんなリーダーでもすぐに実践できるように、目標達成をし続けるチームづくりの“具体的な方法”が紹介されているところが本書の魅力。

部下の力を最大限に生かし、パワフルなチームづくりを実現させたいなら、手にとってみてはいかがでしょうか?

あわせて読みたい

残念な上司はもういらない、「繊細な若手社員の力を引き出す6か条」

忙しい人が実践する「隙間時間」の“超絶”活用術

Amazon Kindle Unlimitedが3ヵ月間99円で読み放題に〜10/14まで

Source: 日本実業出版社

Photo: 印南敦史

印南敦史

swiper-button-prev
swiper-button-next