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外出自粛が解かれても「外出した方がいい」わけではない

外出自粛が解かれても「外出した方がいい」わけではない
Image: Gettyimages

緊急事態宣言が解除され、仕事や会社を再開するところも増えてきました。外出を自粛している間に行きたかったところへ、行きたくなる気持ちは本当によくわかります。

しかし、今週は先週よりも、もっと言えば先月よりも、実際にリスクが低いのでしょうか? まだどの場所よりも家にいる方がはるかにマシなはずです。

例えば、筆者の住むアメリカ・ペンシルバニア州では、4月上旬の感染者数のピークからは、徐々に数字が減ってきています。

しかし、今日の新たな感染者数を見てみると、3月29日と同じでした。3月29日には、喜んで無防備にレストランに行ったりしていません。

その頃はちょうど、2週間のロックダウンでは状況が改善せず、学校や会社はもうしばらく閉鎖しなければならないとわかってきた時期です。

ソーシャルディスタンスの新たなルールを守っていたにも関わらず、その後数週間は感染者数は増え続けました。ルールを緩めたら、また感染者が増える可能性は高いです。

Facebookで多くの人がこんな言葉をシェアしていました。

「外出自粛令が終わったからといって、パンデミックが終息したという意味ではありません。(病院の)ICUに余裕ができたという意味です」

また、見落とされがちなのは、(外に出られるのに)家にいるという選択をするのは、自分の身を守るだけでなく、新型コロナウイルスの感染の連鎖に自分が入らないようにするためだということ。

活動再開は安全という意味ではない

規制の緩和は、疫学的な判断というより、政治的な意味合いの方が強いのです。活動の再開は、仕事を続けたい、続けなければならない人は、職場に戻ってもいいという意味でしょう。

最近Gina Kolataが、歴史家はパンデミックの「社会的な終息」と「医学的な終息」を区別していると書いていました。

私たちはパンデミックとの戦いに疲れ、ウイルスがまだ猛威を奮っていても、終息したかのように行動すると決めただけです。そうすると医学的には大惨事が起こります。

(過去の歴史の例を見ると、1918年のスペインかぜのパンデミックは、春に恐ろしい第一波が発生し、それから秋に甚大な第二波が起こりました。最初の警戒が解除された後、第一波よりも多くの死者が出ました)

アメリカの各州は、再開できるだけ安全だと示す数値に、それぞれ独自のガイドラインがあります。

しかし、米「Huffington Post」でMichael Hobbesが、このような数値は、実際の安全性の確保というより、利便性と世論によって決められているように思えると書いており、私もそう思います。

時が経てばわかる

いつ、どのように活動を再開するかを決めるのに、いくつかの州は感染者数の減少を目安にしていますが、感染が明らかになるのは、実際の感染よりも数週間遅胃のです。

感染が症状として表れるのに時間がかかり、症状の出た人が検査を受けに行き、結果が出るのは、さらにその後。現在の感染者数は、今感染している人の数ではありません。それがわかるのは数週間後です。

ウイルスによって死に至るまでも時間がかかるので、死者数はさらにタイムラグが(1カ月もしくはそれ以上)あります。

Undark」では、数字の曲線が上昇している時点で、その時期にさかのぼって考えれば、その曲線は死者数はすでにピークを迎え、減少しつつあることを示していると思うかもしれませんが、後にならないと数字は十分にわからないというだけだと書いていました。

また、事態を複雑にしているもうひとつの理由は、人によって「再開」を意味するところが違うこと。(以前も書きましたが、パンデミック関連の現象に対する共通言語はあまりにも不十分です)

コロナ禍の現状を的確に表現する言葉はない

各州や各国は、先に規制を緩和し始めたところに注目するかもしれませんが、同じようにやればいいというわけではありません。

スポーツジムやエステなどをいち早く再開するところもあれば、最後に再開する業界とするところもあります。

いち早くマスクを外すようになるところもあるかもしれませんが、より慎重になるところもあるかもしれません。求められていなくても家に居る人もいるかもしれません。

活動を再開するための各州の計画を、国のガイドラインやWHOのチェックリストと比較してみると、興味深いことがわかりました。

感染を抑え込むという点から見ると特に、チェックリストの最後の項目(人々やコミュニティが“新しい基準”を十分に理解し、適応しようと努力する)がもっとも有効なのではないかと思います。

すべての感染者を見つけ、感染が広まるのを防ぐために、十分信頼できる検査や接触者追跡の基盤ができれば、規制を緩和してもかなり安心していられると思います。

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Source: Gina Kolata,CDC,Huffington Post,Undark

Image: Gettyimages

Beth Skwarecki - Lifehacker US[原文

訳:的野裕子

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