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フィードバックは「良い点に集中する」とより効果的になる

フィードバックは「良い点に集中する」とより効果的になる
Image: Elevate Digital (Pexels)

建設的な批判は、職場ではときに悩ましい問題です。

相手を責められている気分にさせずに批判するのは容易ではありません(批判を受け入れることもまた困難です)。

だからといって、互いのパフォーマンスをいっさい評価しない方がいいかと言えば、そうではありません。

仕事ぶりについて何も言わなければ、活気のない環境が生まれ、そこで働く人は学びも、成長も、向上も望めなくなってしまうでしょう。

けれども、「フィードバック」は必ずしも「批判」でなくてもよいのかもしれません。

ADP Research Instituteのピープル&パフォーマンス・リサーチ部門を率いるMarcus Buckingham氏と、Cisco Systemsのリーダーシップ&チーム・インテリジェンス担当シニア・バイスプレジデントを務めるAshley Goodall氏は、『ハーバード・ビジネス・レビュー』誌への寄稿記事のなかで、効果的なフィードバックの秘訣は、ポジティブな点にもっぱら目を向けることだと述べています。

自分の意見は、「自分の」意見にすぎないと心に留めよう

誰かのプレゼンテーションを、あなたは「意欲的」と評価し、私は「やりすぎだ」と思うかもしれません。

あなたにとっては「退屈」でも、私には「思慮深い」と映る場合もあります。

同僚の仕事をどう評価するかは、たいていの場合、単なる意見であり、評価する側の期待や性格、経験を反映した1つの視点にすぎないのです。

販売成績のように、結果が目に見えるものであり、それが期待を下回る数値を示していたとしても、うまくいかない理由は1つとは限らず、尋ねる相手によって見解が異なる場合があります。

これについて、Buckingham氏とGoodall氏は次のように説明しています

私たちにできることは――そしてそれはけして無意味ではありませんが――、自分自身の感情や経験、自分がそれにどう反応したかを伝えることだけです。

たとえば誰かに対して、その人の声が「自分にとって」耳障りかどうか、話が「自分にとって」説得力があるかどうか、プレゼンテーションが「自分にとって」退屈かどうかを伝えることはできます。

客観的な「その人の出来」を教えてあげることはできないかもしれませんが、「自分から見たその人の出来」なら教えてあげられます。

それはあくまで自分にとっての真実であって、相手にとっての真実ではありません。控えめな見解ではありますが、少なくとも正確です。

だからこそ、批判の多くは思ったほど建設的ではないのです。

それはあくまで批判する人自身の意見であって、必ずしも正しいとは限りません。

ネガティブな意見ばかり指摘しない

もちろん、よくある「サンドイッチ話法」を使うという手もあります。

最初にポジティブな意見を述べ、次に改善すべき点を話してから、再びポジティブな話で締めくくるという、例のあれです。

とはいえ、そんな手口はみなさん、ある程度お見通しですよね?

真ん中に挟まれた「サンドイッチの具」こそが会話の本題であることを、誰もがわかっています。

Buckingham氏とGoodall氏は、批判より称賛からの方が得られるものは大きいと述べています

人間は、長所を指摘されたときの方が、欠点を指摘されたときより多くを学べるというのです。

両氏はさらに踏み込んで、相手の欠点ばかり指摘すると、かえって学びが妨げられると主張しています。

人間は、自分が理解していることに少し異なる見方を加えたり、それを発展させたりすることで、何かをよりうまくできそうな方法を知ったときに学習します。

学びは、自分がうまくできていることを把握することから生まれるものであり、自分がうまくできていないこと、ましてや他人から見た「自分がうまくできていないこと」からは生まれません。

さらに、私たちが最も学習するのは、自分の中でうまくいっていることに他人が注目し、それを知的に進化させるよう促されたときです。(中略)人間が自分のコンフォートゾーンにいるときに最も学習することは明らか

そこに神経経路が最も集中しているからです。そこでは私たちは可能性に対して最もオープンになり、クリエイティビティ、洞察力、生産性を最も発揮します。

フィードバックを与えるなら、人がそのような状態、すなわち高いパフォーマンスを発揮しているフロー状態にあるときにしなくてはなりません。

良いパフォーマンスを指摘する

私たちは、子ども相手にそれをしています。

子どもが行儀良く振る舞ったり、言われなくともおもちゃを片づけたりしたのを目にすると、その場でそれを指摘し、子どもを誉めます

子どもの行ないを改善するには、罰を与えるより誉める方が効果的です。

子どもは本質的に、「良い行ないをして大人を喜ばせたい」と思っています。

ですから、子どもが何かをうまくやっているとき、それに気づいて評価してあげれば、子どもはその後、それを「さらにうまくやる」ようになるものです。

大人だって同じではないでしょうか?

同僚が商談をまとめた、目標を達成した、とてもクリエイティブな、または洞察に富んだ資料を作成した――そんなときは、喝采を贈りましょう。

さらには「よくやった」と声をかけるだけでなく、その成功から相手が学習し、成長できるよう背中を押してあげましょう。

Buckingham氏とGoodall氏は、相手の優れた仕事に対して自分がどう反応したか伝えることを推奨しています

同僚の優れたパフォーマンスに接したとき、それが自分にとってどんな経験だったかを話して聞かせましょう。

相手の仕事に何を見たか、それで自分がどんな気持ちになったかを伝えるのです。これほど真実味があって信頼できるフィードバックはありません。

「私はこんなふうに感じた」とか「私はこんなふうに考えさせられた」といったフレーズを使ってみてください。「自分がどれほどすごい仕事をしたかわかる?」とずばり言うのもいいでしょう。

それはあなたの反応、すなわちあなたの真実であり、それを具体的に伝えるのは、相手を批判したり、評価したり、正そうとしたりしていることにはなりません。

相手がこの世界に刻んだ自分だけの「爪痕」を、単にあなたの視点を通じて相手に見せているだけなのです。

ですから、同僚のプレゼンテーションを見て、「ちょっと勢いに欠けるところがあったと思う」などと本人に言う代わりに、プレゼンテーションのどの部分が心に響き、創造性を刺激されたかを伝えましょう。

良い点を指摘すれば、良い点が他人の目にはどう映るのかが相手にもわかるのです。

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Source: ハーバード・ビジネス・レビュー

Image: Pexels

Meghan Moravcik Walbert - [原文:Give Effective Feedback by Focusing on the Positive

訳:遠藤康子/ガリレオ

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