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マネー特集─MONEY SHIFT 2019

貯金のモチベーションを上げるには「得られる金額だけ」を意識すること

貯金のモチベーションを上げるには「得られる金額だけ」を意識すること
Image: Gettyimages

どうしたら貯金借金の返済を着々と進めることができるでしょうか。

貯金があると将来どれほど助かるか考える。

銀行口座から自動引落で貯金するように設定する。

効率的に貯金できるアプリを使う。

やり方を考え始めると枚挙のいとまがありません。

しかし、学術誌『Nature Human Behaviour』で最近発表された『金額と時間が異時点間選択に及ぼす影響』という研究が、貯金が楽になるコツを示唆しています。

時間の経過を考えない

それは、どれだけの時間をかければ目標金額に達するか考えるより、それだけの時間が経過するとどれだけお金が増えるかに着目することです。

デューク大学の研究チームは、「今すぐ5ドルもらう」か「1カ月後に10ドルもらう」という2択を提示された被験者は何に着目しているか調査しました。

すると、大きい金額を迷わず選択した被験者はその報酬をもらうまでに要する時間の長さをほとんど気にしていないことがわかりました。

この研究発表で、

「貯金上手な人は、時間の要素を無視することで雑念を消し、より高額を手に入れるという本人にとって最も重要なことにだけ意識を集中させること」

「最も忍耐強い人たちの場合は、時間に関する情報より金額に関する情報がずっと早く意思決定のプロセスに入り込んでいる」ことがわかりました。

忍耐強い被験者は、一見直観に反するような驚くべき行動パターンを示しました。

入手できる情報を全て集めてじっくり分析して比較するというプロセスでなく、金額を直接比較して額が大きい方を選択するという経験則的戦略を採る傾向があったのです。

それとは対照的に、待つことが苦手な被験者は、時間の経過と得られる金額の相関関係をデータを分析しながら調べていくというバランスのとれたプロセスを選択しました。

分析を一切せず経験則で選択すると結果が「良く」なり、分析して比較検討するプロセスを辿ると、結果が「悪く」なるのは、一見不合理に見えます。

しかし、経験則を用いた方が適切な意思決定ができる選択領域がいくつも存在しているのも事実で、この場合はそれに該当したのです。(同研究より)

このことが、貯金の仕方を改善するために活用できるのではないかと研究者は見ています。

「誘惑に負けない方法」に着目するより、むしろ「貯金した結果、得られる金額」を強調する方が、貯金をする気になれるようです。

時間もモチベーションに

同研究の共同執筆者であり、デューク大学院で神経生物学を勉強中のDianna Amasinoさんは、研究発表で次のように述べています。

「長い時間をかけて財産形成することに意識をむけると、負担に思うかもしれません。でも、貯金や投資で得られる利益に着目すると、貯金するモチベーションがあがります」

どうやら、人間は稼げる金額を意識していると、もっと辛抱強くなり、もっと貯金するようになれるようです。

CreditCards.comは、この研究以前にも、「ご褒美に目を向ける」と迷いや負担感を克服しやすいとする研究が発表されていると指摘しています。

例えば、『Motivation and Emotion』誌に掲載された2014年の研究では、エクササイズの目標を達成するには、そのために必要な努力よりも目標自体に注目した方が、達成できる可能性が高いことがわかっています。

ですから、目標貯金額があるなら、毎月いくら貯金できるか、そして時間の経過により金利がいくらつくか意識しましょう。

そして、その数字を紙に書き出して冷蔵庫に貼るか、スケジュール帳に書き込みましょう。

CreditCards.comは、クレジットカードの返済額が多い人は、オンラインの計算機を使って、もっと積極的に借金を返済すると、他のものを買えるお金がいくら残るか算出することを推奨しています。

得られる結果を意識すると、貯金のモチベーションがアップします。

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Source: Nature Human Behaviour,eurekalert,springer LINK

Image: Getty Images

Alicia Adamczyk – [原文: Think About How Much Money You'll Save to Pay Off Debt

訳:春野ユリ

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