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内向きと外向きの感謝とは? 意識すれば「ありがとう」を忘れない人になれる

内向きと外向きの感謝とは? 意識すれば「ありがとう」を忘れない人になれる
Image: Pixabay

サンクスギビングデイも終わりました。

1年後に再びこの日がめぐってくるまで、人生の恵みに感謝を捧げることなど忘れてしまいそうです。けれども、もしこうした感情をずっと持ち続けたいのなら、常に「感謝の念」を持てるようトレーニングするという手もあります。

ちょっとした心がけで、あなたも、自分の人生により満足し感謝することができるようになるかもしれません。

感謝を感じる力とは?

時には、「自分の人生に良いことなど何もない」と、絶望してしまうこともあるでしょう。

不思議なことに、あなたから見て、お金にも友達にも恵まれ、社会的地位も高く、明らかに自分より良い暮らしを送っているように思える人でもこうした気分に陥るケースはあるのです。

というのも、感謝を感じる能力は、客観的に見て恵まれた暮らしをおくっているかどうかとは、必ずしも関連がないからです。

感謝を感じる能力とはむしろ、遺伝子の突然変異によって発生した「前向きな感情を、普通より多く感じられる能力」なのだという説を、ニューヨーク・タイムズ紙に執筆したオピニオン記事の中で、Arthur C. Brooks氏が紹介しています。

ある遺伝子(CD38)の変異が、感謝の念を感じやすい能力と関連しているとする論文が、2014年に学術誌『Social Cognitive and Affective Neuroscience』に掲載されました。この論文の執筆者の言葉を借りると、この変異を持つ人は、遺伝子的な特性により、「全般的な人間関係への満足度が高く、パートナーは自分を思いやってくれているとの安心感や肯定的な感情(特に愛情)」を感じやすい傾向にあるというのです。

とはいえ、遺伝的に幸せを感じやすいタイプではなくても、それほどがっかりすることはありません。あなたがすでに持っている、喜びを感じる力をさらに伸ばす方法があるのです。

「感謝している」という形から入る

誰かに対して、「幸せなふり」をしろと説くのは、かなり危うい忠告と言えるでしょう。

特に、メンタルヘルスに問題を抱える人がこのアドバイスに従うと、必要な助けを得られないおそれがあります。あなたが鬱的な感情を覚えているなら、それを率直に認め、ぜひお医者さんにかかってください。

しかし、そうしたケースでなければ、形から入ることで本当にそうした気分になれることもあります。自分が幸せで、感謝の念に満ちているかのようにふるまうことが、まるでエンジンをジャンプスタートさせるように、人を活気づけるのです。

朝起きてベッドから出たら、いつものようにソファーに座ってニュースを見るのではなく、窓際に立って歌をハミングしたり、ストレッチをしたり、大声で笑ってみたりするのはどうでしょう?

こうしたほんのわずかの変化でも、積もり積もれば、私たちの体はそれに反応するものです。

例えば、Brook氏は上記のニューヨーク・タイムズの記事で、1993年に行なわれた有名な実験に触れています。この実験では、機械的に笑顔を作るだけで、実際に幸福度が上がる可能性があることが判明しました。

笑顔になると、プラスの感情に関係する脳の活動が刺激されるのです。Brooks氏の記事によれば、感謝についても、たとえ本心ではなくても感謝の気持ちを示すだけで、同様の効果が期待できるようです。

学術誌『Cerebral Cortex』に発表された研究によると、感謝は、視床下部(ストレスの抑制に主要な役割を果たす脳の部位)と、腹側被蓋野(脳の中にあり、快感をもたらす「報酬系」を構成する)に刺激を与えるとのことです。

つまり、感謝する気持ちになれなくても、形だけでもそういうふりをすれば、本当に感謝の念が湧き上がってくるということです。

「感謝」リストを作る

感謝を綴る日記が流行っているのには理由があります。毎日、感謝の念を覚える物事についてリストを作る習慣を身につけると、人生に対する見方が大きく変わることがわかっているのです。

これについてBrooks氏が紹介しているのは、2003年の研究です。この研究では、被験者のあるグループに対して、毎週、自分が感謝しているものについてリストを作るよう依頼しました。比較対象として、別の人たちには、毎週、自分が苛だたしいと感じたこと、あるいは特に何の感情も覚えなかったことについて書くように頼みました。

10週間に及ぶ研究が終わった時点で、感謝を綴ったグループはムカつくことばかり記録していたグループに比べて、「人生に対する満足度が著しく上昇していた」とこの研究は結論づけています。

さらに、わざわざ紙にペンで手書きするときは、嫌いなことよりも好きなことを書こうという気持ちになるものです。

ほんの些細なことであっても、ネガティブなことよりもポジティブなことを取り上げるのに時間を費やすようにすると、1日をより快適に過ごすための足がかりになるはずです。

感謝を口に出して表現する

前段で紹介した日記やリスト作りを、Brook氏は「内向きの感謝」と呼んでいます。

しかしこれは、パズルの1ピースにすぎません。もう1つ、「外向きの感謝」が必要です。

これは、感謝すべきと思ったらちゃんと相手にその意思を示す、あるいは、感謝すべき対象をはっきりと口に出して褒めるという行動です。今なら、メールを使う方法もあるでしょう。

「ポジティブ心理学」という分野の開祖として知られる心理学者、マーティン・セリグマン氏は、この「外向きの感謝」について、実際に役立つ方法をいくつか提案しています。

ベストセラーとなった著書『世界でひとつだけの幸せ―ポジティブ心理学が教えてくれる満ち足りた人生』(邦訳:アスペクト)で、同氏は読者に対し、愛する人や、仕事の同僚に対して手紙を書き、計画的に感謝の念を示すようすすめています。

これを必ず実行するには、朝飲むコーヒーと同じように、感謝をルーティン化し、日々の習慣に組み込むという方法があります。短いものでかまわないので、毎朝2本、友人や家族、同僚に宛ててメールを書き「いつもありがとう」と、感謝している旨を伝えましょう。

毎日、自分にとって大切な人たちに、ありがとうと感謝を伝えたら、どんなメリットがあるか、考えてみてください。メッセージを送った側が「良いことをした」と満足感を得られるだけでなく、受け取った側も、きっと良い気分になるはずです。

実際、Brooks氏は、怒りの感情に直面した時こそ、「ありがとう」と伝えるよう努力することをすすめています。

どうやら、反感を覚えるとすぐ食ってかかってくるような、「感情のガードが緩い」人たちは、感じの良い感謝の言葉を聞くと、すぐに態度を軟化させるケースが多いようです。

ひょっとするとあなた自身も、そうした脳の持ち主かもしれませんよ。

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Source: The New York Times

Aimée Lutkin - Lifehacker US[原文

訳:長谷 睦/ガリレオ

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