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外国語を自分のものにするためのコツは「必ず使う単語・表現」だけ覚えて、使うこと

外国語を自分のものにするためのコツは「必ず使う単語・表現」だけ覚えて、使うこと
Photo: 印南敦史

純ジャパの僕が10カ国語を話せた 世界一シンプルな外国語勉強法』(秋山燿平著、ダイヤモンド社)の著者は、旅行などの短期滞在を除いて海外在住経験なし、留学経験なしの「純ジャパ(純ジャパニーズ)でありながら、独学で10カ国語を習得したというマルチリンガル。10カ国語のうち4カ国語はビジネスレベルに到達しており、しかもほとんどの言語を、数週間~半年(平均3か月ほど)で身につけたのだそうです。

信じがたい話ですが、では、なぜそんな短期間で複数の言語を身につけることができたのか? つまり本書ではその理由と、実践してきた外国語勉強法を明かしているわけです。ちなみに、大切なことはたった1つだけ。

「必ず使う単語・表現だけ覚えて、使う」 (「Prologue どんな外国語も3か月で話せる」より)

このシンプルなルールを守るだけで、最短で確実に話せるようになるというのです。しかも、本書の学ぶ手法を実践すれば、途中で挫折することはほとんどないと言い切ります。理由は、「楽しい」から。

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このように、「必ず使う単語」「必ず使う表現」だけを暗記する勉強法は、「学んだぶんがすべて自分に返ってくる」学習法だということ。たしかにそれなら、単語帳や参考書を一から覚えるような勉強法より前向きかもしれません。

Part 1「日常会話は200単語、30表現で話せる」のなかから、いくつかのポイントを抜き出してみましょう。

日本語から逆算して必要な単語・表現を学ぶ

必ず使う単語・表現を覚えればいいのだとすれば、気になるのは「どのような単語・表現を“必ず使う”と判断すべきなのか」ということ。著者によれば、そのために参考となるのは、普段話している日本語なのだそうです。

たとえば初対面の外国人と話すとき、日本語でどのような会話をするか考えてみましょう。

・私は日本人です。

・私は東京に住んでいます。

・私は英語を勉強しています。

・私はアメリカに行ったことがあります。

・昨日、何をしましたか?

ここから逆算してみると、次の単語・表現を覚える必要があるということがわかるわけです。

単語

私、日本人、住む、英語、勉強、行く、昨日


表現

・私は~です

・私は~しています

・私は~したことがあります

・何を~しましたか?

(以上38ページより)

他にも、実際の会話を想定すれば、「はい」「いいえ」などの返答や、「なるほど」「すごい!」などの相づち、「~ではない」といった否定の表現など、絶対に覚えておかなければならない単語・表現がわかるはず。このように、想定される会話のなかから必要な単語・表現を想定していくことにより、「超実用的な単語・表現」だけを覚えることができるという考え方です。

著者はこれを、「テストに確実に出る単語・表現だけを覚えるようなもの」だと記しています。「apple(りんご)」「huge(巨大な)」「table tennis(卓球)」など普段の会話でまったく使わない単語、あるいは「現在完了形」「現在進行形」といった難しいネーミングの文法を覚えていたときとはくらべものにならないほど、「会話」に直結する有意義な学びになるというのです。

とはいえ、そうした単語を全て日本語から逆算し、「どんな単語・表現がないと話せないか?」と考えていくのは大変なこと。そこで本書には、会話で最頻出する単語200・表現30がまとめられています。参考にしてみれば、学習スピードを高められるかもしれません。(37ページより)

自己紹介&趣味について話せるようになろう

誰にでも共通する単語を覚えることは、もちろん重要。しかし「誰にでも共通」ということは、それだけでは「自分について」は話せないということでもあるはず。ところが当然のことながら、自分のことを話せないと会話は深まらず、ほとんど相手の話を聞くだけになってしまうでしょう。

特に自己紹介と趣味の話題は、それがないと初対面の会話が成立しないといえるくらいの頻出テーマだといえます。そこで著者は、趣味や得意なことなど、ひとそれぞれ違った「自分の話」をするとき、どのような単語が必要になるのかについても触れています。

上記の「初対面の外国人と話すとき」と同じように、ここでも重要なのは「どのように自己紹介をするか?」「自分の趣味を紹介するとき、どんな話をするか?」と日本語で考え、そこから逆算して必要な単語をピックアップすること。

たとえば自己紹介の場合、著者は東京大学大学院 薬学系研究科に在籍していたため、以下の内容を話すことを想定して単語を想定していたそうです。

・私は東京大学の学生です。現在は大学院の修士課程に通っています。

・大学では薬学を勉強しています。毎日研究室で実験をしています。

選定した単語

大学、現在、大学院、修士課程、薬学、研究、研究室、実験、毎日

(52ページより)

もちろん自分の趣味についても、同じように単語をピックアップ。著者の場合はサッカーと海外旅行が趣味だったため、次のような会話を想定し、必要な単語を選定したのだといいます。

・私はサッカーをすることが好きです。

・私の好きな選手はメッシです。

・私はバルセロナのファンです。

・あなたの好きなチームはどこですか?

・私は海外旅行が好きです。

・アメリカと中国に行ったことがあります。

・あなたはどこの国に行ったことがありますか?

選定した単語

サッカー、プレーする、選手、ファン、旅行する、外国、中国、アメリカ

(53ページより)

ちなみにこの段階では、そこまで深い内容を話せなくても大丈夫だそうです。最初は、簡単な自己紹介ができ、趣味を軽く紹介できる程度で問題ないというのです。(51ページより)

日本について紹介できるようになろう

自己紹介、趣味に加えて、外国人と話す際によく出るのが「日本」についての話題。著者も多くの外国人と会話するなかで「日本について教えて」「日本ではどうなの?」といった話題になったことが多かったと振り返りますが、これから外国語学習を進めようという人も、同じような状況に何度も遭遇するはず。

いってみれば自分自身が「日本代表」として、日本について紹介する必要が出てくるということ。だからこそ、そんなとき、簡単にでも日本について話すことができれば、相手との会話はより弾むことになるわけです。

だとすれば気になるのは、日本のことを紹介しようというとき、どのような単語が必要になるのかということ。しかし、出身地や好きな観光地など、紹介したい内容がそれぞれ異なるため、これも人によって違ってくるはず。

そのため、ここでも、どのような会話をするかを日本語で想定してみることが必要になってくるわけです。たとえば「日本食」について話したとすれば、以下のような会話が想定できるでしょう。

・寿司は、日本でもっとも有名な食べ物のひとつです。

・生魚をご飯の上に載せて、醤油と一緒に食べます。

・私の好きな寿司はマグロです。

ここから「生魚」「ご飯」「醤油」「マグロ」といった単語が必要だと理解できるということ。また同じように、「日本の有名ない観光地やオススメのスポットを教えて」ということも、外国人からよく聞かれる話題。そこで浅草が好きな著者は、次のような会話を想定したといいます。

・浅草は、東京でもっとも伝統的な場所です。

・有名な商店街があり、日本のお土産をたくさん買うことができます。

ここからは、「伝統的」「商店街」「お土産」といった単語が必要だとわかるわけです。このように、「自分がどのように日本を紹介したいか」という視点から逆算し、必要な単語をピックアップしておけばいいということ。

ざっくりとその内容を説明できる程度の単語を把握しておけば十分だというのですから、多くの外国人が訪れる2020年の東京オリンピック・パラリンピックの際などにも役立ちそうです。(55ページより)




本書のポイントは、1つの「勝ちパターン」を応用するだけでいいということ。無駄を排除し、必要なことだけを絞り込んでいるからこそ、「話せる」状態に到達しやすいのかもしれません。

Photo: 印南敦史

印南敦史

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