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メッセンジャーアプリWhatsAppのプロダクトデザイナー、チャーリー・ディーツさんの仕事術

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メッセンジャーアプリWhatsAppのプロダクトデザイナー、チャーリー・ディーツさんの仕事術
Image: Lifehacker US

敏腕クリエイターやビジネスパーソンに学ぶ仕事術「HOW I WORK」シリーズ。今回はスマートフォン向けインスタントメッセンジャーアプリWhatsAppのプロダクトデザイナーを務めるチャーリー・ディーツさんの仕事術です。

WhatsAppのプロダクトデザイナー主任を務めるチャーリー・ディーツ(Charlie Deets)さんは、毎月15億人以上のユーザーに影響を与える決定を下しています。たとえば、文字が読めないユーザーでもナビゲートできるチャット画面を構築するという並外れた課題の解決もその1つです。また、WhatsAppの視覚的な「ストーリー」機能とSnapchatやInstagramが持つ類似機能との違いを強調しています。

ディーツさんは前職のFacebookでは、プライバシーチェックやカスタムジェンダーのようなプロジェクトに取り組んでいました。彼は美しく人気のあるMOON appの制作者でもあります。彼は仕事の日をどのように過ごしているのか、また、これほど多くのプロジェクトを同時進行させながらどのように集中力を保っているのか聞いてみました。

ディーツさんは、『One Year Designing at WhatsApp』や『Designing for Privacy on Facebook.』などの記事をMediumで発表しており、その中でデザインプロセスについて幅広く語っています。そこで、この記事では、彼の個人的な仕事習慣に絞り込むことにしました。成功をおさめているテクノロジーのプロフェッショナルの多くがそうであるように、ディーツさんは一度に1つのタスクに集中して仕事をしています

居住地:カリフォルニア州メンローパーク

現在の職業:WhatsAppのプロダクトデザイナー

仕事の仕方を一言で言うと:集中して

現在の携帯端末:Google Pixel 2 XL

現在のPC:15インチの2016年版MacBook Pro

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Image: Lifehacker US

── まず、略歴と現在の仕事に至るまでの経緯を教えていただけますか?

私が初めてした仕事は、父の印刷会社で、プリプレスのコンピューターのメンテナンスでした。夜1人で働いていたので、コンピューターがテープドライブにバックアップをしている間に、たっぷり時間をかけてPhotoshopやその他のクリエイティブなツールを学ぶことができました。そのとき膨大なグラフィックデザインに接したことが後々まで影響しています。

青年時代はバンドで音楽を演奏し、最終的に写真撮影術で修士号を取得しました。そうしたプロジェクトをプロモートするために多くのWebサイトを作り、テクノロジーとデザインをミックスさせることを大いに楽しんでいる自分に気づきました。卒業後は、シカゴのオークションハウスWrightに就職して、写真の修正やWebのデザイン・開発をしました。私は自分がしていたプロダクトの仕事が大好きで、ユーザーエクスペリエンスのデザインとは何かを学びました。

その後、Electric Pulpに転職して、レスポンシブWebサイトに携わりました。そこはすばらしい会社で、私はチームと協力してレスポンシブなWebを開発するためのツール、Duoなどのサイドプロダクトの制作を経験。その次はFacebookに入社して、さまざまな「プロジェクト」「プライバシー」「誕生日」にフォーカスしたチームやグループチームの仕事をしました。その後、WhatsAppに入社しました。

──最近の1日の流れを教えてください

朝7時頃に起きて、かなりゆっくりと稼働しはじめます。1日をゆっくりスタートするのが好きなので、あとで気が急いだり燃え尽き感を感じたりすることはありません。仕事に行くまえにランニングをする日もあります。午前9時までに職場で朝食を食べ、自分のデスクに行きます。朝のその時間のオフィスはとても静かなので、メールやWhatsAppメッセージをチェックしたり、前日やり残したことをするなど、片づけ作業がたくさんできます。

午前10時までにヘッドフォンをつけて、デザインやプロトタイプの制作をはじめます。通常は進行中のプロジェクトの作業をするので、何をする必要があるかをわかっているんです。WhatsAppでは会議は最小限にしています。実際、私たちはできるだけ会議のないカルチャーにしようとしています。その代わりに、リアルタイムで質問したり、問題を提起したり、プロジェクトの進捗状況をレポートしたりします。どうしても会議をする必要があるときは、午後の中ほどにスケジュールするようにしています。私の場合、デザインするときの生産性が午前中と午後遅くに最も高くなるからです。

仕事を終える時間は決まっていなくて、自分が生産的でなくなったとき終わりにしていますが、だいたいは午後6時ごろです。帰宅して、妻と散歩をします。夜は、友人たちとビデオゲームをしてリラックスします。

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Image: Lifehacker US

── 「これがないと生きられない」というアプリ・ソフト・ツールは?

  • Sketch: 静的設計をするとき
  • Origami Studio: プロトタイプを作成するとき
  • Ulysses: メモや文章を書くとき
  • WhatsApp: メッセージを送信するとき
  • Spotify: 音楽を聞くとき
  • Transmit: ファイルを転送するとき
  • Sublime Text: コードを書くとき
  • Alfred: アプリのローンチをするときと全体的な生産性を向上させたいとき

── 仕事場はどんな感じですか?

ラップトップをデスクの中央に置いています。ノートパソコンに搭載されているキーボードとトラックパッドを使いますが、ラップトップの上の大きな外付けのモニターがデスクの中心にあり、デザインの仕事はほとんどそれを使っています。デスクの上にはなるべく物を置かないようにして集中力を維持しています。テストや試作のために携帯端末をたくさん置くことがよくありますが、毎晩帰宅する前にそういうものは全部片づけるので、翌朝デスクはすっきり片付いています

デスクトップの背景はフラットなグレイの中間色で、ほとんどのアプリケーションをフルスクリーンにして、作業中に集中できるようにしています。ドックとメニューバーは目に触れないようにしています。

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Image: Lifehacker US

── お気に入りの時間節約術やライフハックは何ですか?

私の場合、仕事中はアプリケーションをフルスクリーンで使用することがとても重要です。今、自分が何をしているかはっきりわかるからです。私はすぐ気が散ってしまうタチなので、これは作業を続けるための予防措置です。携帯電話は画面を下にして置き、一日のほとんどは、MacBookの「Do Not Disturb」を設定して、すべての通知をブロックします。気が散っていることに気づいたら、そのまま放っておきます。あまり抵抗しようとすると、最後はイライラして生産性が低くなりがちだからです。仕事場にいる間は、不必要な変数を減らすことで可能な限り時間を有効活用するようにしています。メールは2時間おきぐらいにチェックしますが、あとはほぼ終日閉じています。

──仕事場で採用しているプロセスで、興味深いもの、珍しいもの、こだわりがあるものがあれば教えてください

さまざまなプラットフォームで新しいWhatsAppの機能を構築しテストしているので、携帯端末はたびたび変更します。AndroidとiOSの両方で使えるモバイルアプリを使用して、両方で同じような体験ができるようにしています。具体的には、ポッドキャストにはPocket Casts、音楽にはSpotify、ランニングにはNike Run Club、写真の編集にはVSCOという具合です。

── どんな人たちからどのように仕事を助けてもらっていますか?

チームのおかげで、私はいろいろな仕事を片づけることができています。これまで参画したチームの中で最も敬意に値するチームです。チームメンバーが心がけていることは、他人が集中しているときは邪魔をしないようにすること、質問をする前に考えを適切な形にすることです。そうすれば、誰もが集中して自分の仕事に取り組めますから。私たちはお互いに忍耐強く、「今すぐ」何かをやってしまわなければならないという過度のプレッシャーはほとんどありません。適切に仕事ができるように余裕を設けるようにしています。そのほうが、誰もが気持ちを安定させてベストの仕事をすることができるからです。

──ToDoはどうやってトラッキングしていますか?

Ulyssesを使ってタスク、執筆、そしてテキストになっているものの整理をトラッキングしています。私生活のToDoリストと仕事のToDOリストの2つをお気に入りのメインリストにしています。仕事のToDoリストは短い言葉とメモがたくさん書いてあり、やらなければならないことを思い出させてくれるものです。UlyssesのマークダウンファイルをDropboxで同期して、Andoridの携帯電話でiA Writerを使えるようにして、こうしたファイルにアクセスしています。UlyssesはMacOSとiOSでしか使えないからです。私生活のToDoは別にしてあるので、普段の生活では仕事のことはほとんど考えません。

──苦手なことは何ですか? どう対処していますか?

パブリック・スピーキングです。一度に多くの人が私の話を聞いているというプレッシャーを感じると、とても緊張します。たいていはやり過ぎなぐらい準備することで対処しています。実際にはそれでも助けにならず、どうしても異常に緊張してしまいますが。いつか乗り越えられると思いますが、その日はまだ来ていません。

──どのように充電していますか? 仕事のことを忘れたいときはどうしますか?

ビデオゲームをしたり、写真を撮ったり、音楽を作ったりして楽しんでいます。CSSを書くことも、私には本当に楽しいことです。燃え尽き症候群になっていると感じた週末に、ちょっとフロントエンドのコードを書いたら、気分が解放されて楽になり、充電できました。変でしょう。

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Image: Lifehacker US

──仕事の合間に何をするのが好きですか?

何年か前、私はオブジェクティブCを書く方法を学びたいと思っていました。それで月の満ち欠けが今どの段階にあるか調べるiOSアプリを作りはじめました。それはかなりうまく行き、そのプロジェクトにますます真剣になりました。Appleが新しいAPIを導入するように、私は新しい機能を追加します。最終的にはAndroid、MacOS、Apple TVでも使えるようにもしました。

新月や満月のたびにカスタム通知を送信しますが、これは常に新しいコンテンツが出てくる楽しいチャレンジです。このアプリは最近、100万人のユーザーを獲得しました。サイドプロジェクトとしてはかなりの成果だと思います。

──今、何を読んでいますか? おすすめの本はありますか?

ちょうど『Soonish』を読み終えたところです。新しいテクノロジーを遊び心のある切り口でとらえている本です。

──今日あなたがされたのと同じ質問をしてみたい相手はいますか?

IGNエンタテインメントのDaemon Hatfieldさんです。

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Image: Lifehacker US

──これまでにもらったアドバイスの中でベストなものを教えてください

あるとき、私は一緒に仕事をしたことがあるプロダクトマネージャーに「デザイナーと仕事するってどんな感じですか?」と聞きました。すると、相手はしばし沈黙した後で、「彼らは感情的です」と言いました。これには私も同感です。

デザイナーは自分の作品に情熱を持っていることが多いので、感情が作品に織り込まれています。私は仕事中はできる限り、自分はオフベースであるという考えを受け入れるようにしています。 そうすれば必要に応じて作品の軸足を回転させやすくなりますし、同時に自分がしていることに情熱を持ち続けられます。開発プロセス全体を通して、可能な限り新しい可能性に対してオープンでい続けるよう努めています。

──ほかに何か読者に伝えたいことはありますか?

私はMediumに記事を書いているので、Twitterでフォローしてください。


Image: Lifehacker US

Source: WhatsApp, MOON app, Medium(1, 2), Electric Pulp, Sketch, Origami Studio, Ulysses, Spotify, Transmit, Sublime Text, Alfred, Pocket Casts, Nike Run Club, VSCO, iA Writer, SMBC, Twitter(1, 2

Nick Douglas- Lifehacker US[原文

訳:春野ユリ

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