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いつもと違った自分になれることは世界が変わること。ビジネススーツ月額レンタルサービス『suitsbox』の価値

いつもと違った自分になれることは世界が変わること。ビジネススーツ月額レンタルサービス『suitsbox』の価値
Image: Ollyy / Shutterstock.com

この春も、たくさんの方が社会人になられたことと思います。学生時代にはなかった頭を悩ませることがいろいろと出てきますが、そのひとつが職場での服装でしょう。これまでは何を着るにもほぼ自由でしたが、会社勤めをする多くの男性はスーツ着用が必須です。職種や社風の自由度によっては毎日着なくてもいい人もいるでしょうが、社会人になると外出する際に一着は持っていないと困るというシーンも珍しくありません。

4月30日から本格的に開始する、AOKIのビジネススーツ月額レンタルサービス『suitsbox』はそんな仕事着に悩む新社会人を始め、さまざな人に役立つサービスです。今は以前は考えられなかったものでも借りられる時代。レンタルならではのメリットもたくさんあり、購入の代わりではなく、ライフスタイルにおける選択肢のひとつとなっています。

服のレンタルも注目すべき時代の流れとなっており、すでに月額で私服を毎月何着か借りられるサービスは複数存在します。でも、『suitsbox』はビジネススーツをレンタルできるというのが新しいところ。ただ、ビジネススーツは私服にはない要望や悩みも多いものです。それを解決してくれる『suitsbox』とは、一体どのようなサービスなのでしょうか。『suitsbox』立ち上げのメンバーでもある、suitsbox事業部 事業責任者の永沼大輔さんにお話を伺いました。

サービス立ち上げのきっかけ

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Photo: ライフハッカー[日本版]編集部

『suitsbox』立ち上げのきっかけは、色んな部署の若手社員を集めた場で、AOKIの代表から「今後100年続く企業となるために、デジタル分野とファッションをかけ合わせて何かできないか」という課題が出されたこと。永沼さんの所属は経営戦略室ですが、商品部、インターネット通販、システム部、販促部からメンバーを集め、2017年2月からアイデアを出し合ってサービスのイメージを固めていったそうです。

ターゲット層に決まったのは、これまでAOKIが取れているようで取れていなかったミレニアル世代、そして大都市に住んでいるビジネスマン。事前調査として、無作為に選んだビジネスマン10名に深く話を聞いたり、自宅に行ったりしたとのこと。クローゼットやタンスを開けさせてもらい、どんな服をもっているのかだけでなく、どういう生活をしているのか、その人の1日の行動を追いかけて、何が大変で不満なのか調べるべく、細かなヒアリングが行われました。

その結果、以下の共通の悩みを抱えていることがわかったそう。私服の場合は、アイデンティティや、今日どうしたいか、どのような気分なのかというように、自分の着たいものを着ます。一方、ビジネスウェアは自分ではなく、相手に合わせるという考えです。自分が着たいものは着れないし、カジュアルな私服よりも価格も高いので冒険するにはリスクがあるため無難なものを着がちになってしまいます。また、朝にコーディネイトを考えるのも大変です。

そもそも、部屋に入りきれないほどの服があふれているのが目についたそう。大都市に住むミレニアル世代は駅に近い1R~1LDKの物件に住んでいる人が多く、収納が狭いのが現状です。ビジネススーツは保管の場所をとるだけでなく、クリーニングなどのメンテナンスに手間がかかる、場所や時間は趣味のために使いたいといった声も聞かれました。そこで、AOKIの持っているファッションの知識やスタイリスト、製造管理設備をかけ合わせれば、これらの問題を解決できるサービスができるのではということで、考えられたのが『suitsbox』とのこと。

どのようなサービスか

『suitsbox』で利用できるコースは以下の3つ。

  • economyエコノミー)スーツ(ジャケット/スラックス)×1着、シャツ×1枚、ネクタイ×1本) / 7800円(税抜)
  • lightライト)スーツ(ジャケット/スラックス)×2着、シャツ×3枚、ネクタイ×2本)/ 1万5800円(税抜)
  • standard+スタンダード プラス)スーツ(ジャケット/スラックス)×3着、シャツ×5枚、ネクタイ×3本)/ 2万4800円(税抜)

頼んでから手元に届くまでは4~5営業日なので、もしも新規で月曜日に申し込んだら、週末に受け取って翌週の月曜日には会社に着ていけます。送られてくるアイテムは、スタイリストがお客さまに合わせてスタイリングしたものですが、前もってどのようなものを送ってほしいか相談することも可能。たとえば、勝負をかけたい重要なプレゼンがあるとか、イベントに出るといったことなどです。この場合、「light」や「standard+」のときは複数スーツやシャツが送られてきますが、ベストな一式の提案ほか、一緒に送られてきた他のシャツやネクタイを組み合わせても合うように考慮されているそう。

また、もしも到着した商品が好みに合わなかった場合、月に1回無料で交換してもらえます。ただし、セットはまとめて返却で、気に入らなかった一着だけを交換してもらうことはできません。もちろん、交換や返却の際にクリーニングは不要。さらに、月額に5000円(税抜)プラスすれば、月に何度も交換が可能な「借り放題」にできます。

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「standard+」コースの例
Imge: AOKI

ちなみに「standard+」は何が「+」で有利なのかというと、前もって次の服が手元にくるという点。つまり、新しいものが手元にきた段階で、今借りているものの返却ができるということです。これは「借り放題」のプランが追加されたときも同様の予定とのこと。他のプランでは、手元にあるものを返却してから次のものが送られてきますが、「standard+」ではそれがなく、返却してしまって手元にないので困るというケースが発生しません。「standard+」は、外にクローゼットを所持するという感覚で『suitsbox』を使うということ、つまり家にスーツを全く持たないライフスタイルを想定しているからです。ほかのプランは、手持ちのスーツにプラスして変わったものを着たいという人に合わせたものとなります。

男性だけではないメリットとサービスの可能性

ニーズに関しては大きく3つあると考えているそうです。まずは20代前半から後半の独身で、自分自身にお金と時間を費やせるが、仕事もプライベートも充実させたい、スーツに手間をかけたくないけどおしゃれなものを着たいし、収納スペースは趣味に使いたいという人たち。

次に、30代前半から半ばの人。結婚していて、奥さんも共働きの人も多いので、女性からのニーズも出てきます。収納スペースの取り合いになるので、奥さんは旦那さんの服がなくなるのは歓迎ですし、洗濯やクリーニングは奥さんがされていることが多いので、楽になれば嬉しいでしょう。それにお金の管理は奥さんというケースも多いので、ビジネスウェアにかかる費用が月々の定額予算になった方が家計の運営として助かるという家庭もあるのではないでしょうか。

そして、息子や孫が大きくなった世代の方。息子や孫がスーツを着るようになったときに、こういう便利なサービスがあると、息子や孫に「心配から安心に変わるようなプレゼントをする」ように広がっていけばいいと思っているとのこと。よって、男性が使うサービスではあるものの、使う本人だけに価値があるのではなく、女性や家族にもメリットがあり、利用しやすいことを前提としているそうです。

また、今後の話になりますが、女性というとレディースの需要は男性以上にあると思っているそう。ビジネスシーンだけでなく、キッズ用も合わせて「入卒園」、「七五三」といったイベントでの親子コーディネイトも考えられます。これはシチュエーションに合わせたセットですが、ほかにも色々なセットができそうです。このようにアイテムを増やすだけでなく、「服を貸し出す」ことを中心とした、さまざまな切り口のサービスにしていきたいとのこと。

ちなみに筆者はマスコミ試験で服装にはかなり悩んだので、「就職活動セット」として、職種別のリクルートスーツを半年から1年間レンタルでき、服装アドバイスもしてもらえるサービスがあれば、確実に使ったので、ぜひ今後の展開で期待したいと思いました。

ビジネスウェアに欠陥は許されない。入念なメンテナンスの体制

レンタルサービスというと、服のシェアリングに抵抗がある方もいるかもしれません。永沼さんによると「ビジネスウェアはオンの場面で使われるものなので、なおさら欠陥があるものをお客さんに着させるわけにはいきません。クリーニングや検品体制など、メンテナンスには特に気をつかっています」とのこと。

「まず、商品が戻ってきたら自社の物流センターにて欠品がないか、私物が入っていないか、汚れ具合はどのくらいか、ほつれなどがないか検品がされます。そこにはリペアできる補正工場もあるので、このときに修繕が必要なら対応します。その後、商品は提携しているクリーニング会社に出されますが、戻ってきたときにちゃんと臭いや汚れがないか、ほつれが直っているか確認されます。保管ののち、発送される前にもう一回検品されます」つまり、お客さんに間違ったものがいかないよう、合計3回も検品を行うとのこと。さらに、一般的に人が購入して使用する場合よりも短い使用期間で廃棄することに決めているそうです。

専属のスタイリストと相談できる安心感

コンシェルジュサービスも『suitsbox』で力を入れているところで、特長でもあります。ポイントはビジネスウェアのコーディネイトの体系化。カジュアルだけでなくビジネスウェアのコーディネイトでも基本的な正解は存在すると思われたので、体系化できないかと、ブロガー兼ファッションアドバイザーとしてさまざまな媒体で活躍されているMBさんに話をもちかけたそう。

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公式サイトより
Image: KNOWER's

MBさんは自身が書かれた本の中で「おしゃれかおしゃれじゃないかはロジックだ」と明言しており、これをやれば絶対おしゃれになる、ならないを定義づけしている人です。そこで、ビジネスウェアでもやってみませんかと声をかけたところ、協力してもらえることになったとのこと。色の合わせ方や、柄ものはひとつにするなどといった、AOKIが持っていた知識とMBさんのスタイリスト的なスキルを合わせて、商品の組み合わせをロジカルに導き出せるデータベースや仕組みを作ったそうです。

これはコンシェルジュサービスにも活用されているとのこと。「プレゼンをするときに自信が持てるようになる服」「パーティに着ていきたい」など要望があれば、スタイリストがロジックに沿ってお客さんに最適な服を選び、箱につめて送ってくれることになります。

また、スタイリストには着こなしだけでなく、うっかり汚してしまったが、明日着たいので、どう洗えばいいのかといった緊急時の対応や、送られてきた服だけでなく、手持ちの服とどう合わせたらいいのかなど、ファッションの総合的な悩みを相談することが可能です。スタイリストとのやりとりは、チャット機能をサイトのマイページ上につくって直接やりとりができるようにする予定とのこと。なお、「standard+」だけは直接電話対応も可能にするそうですが、スタイリストの数が確保され、慣れてきたらほかのコースでもできるようにしたいそうです。

ただ、スタイリストがたくさん必要になることが予想でき、どう確保するのかは課題でもあります。そこで、現状のコンシェルジュサービスで対応してくれるスタイリストはAOKIのスタイリスト制度で認められた社員だけですが、1~2年先には「絶対合っている」「絶対違う」といった最初の大まかな判断はAIを導入できないかと考えているそう。メンズビジネスウェアには「ネクタイ」「スーツ」「シャツ」の組み合わせという縛りがある分、カジュアル服よりもAIを導入しやすいということもあります。すでに作成したデータベースに加え、毎回お客さんに商品ごとに「good」と「bad」の評価をつけてもらい、その結果やチャットでの記録など、やっていく中で蓄積されるデータから、さらにデータベースを充実させてAIで活用していきたいとのこと。

お客さんの反応と期待にこたえるためにやるべきこと

『suitsbox』の本格的な開始は今月30日からですが、すでに株式会社マクアケのクラウドファンディングで受け付けが行われました。なぜクラウドファンディングを使用したかというと『suitsbox』が検討されているとき、本当に需要があるのか、先進的ではあるが、実際に興味を持ってくれる人はいるのかという疑問を投げかけられたため、先行的なユーザーの獲得だけでなく、どれくらいの反応があり、認知がされるのか見ることが目的だったそう。結果的には思った以上の反応で、目標としていた100万円を3日で達成。説得力のある材料となり、これをもって社内で決定となったそうです。

申し込んだ人はターゲットとして想定していた通り、東京、神奈川、大阪、名古屋など大都市圏に在住の人が殆どだったものの、年齢は想定していた20代前半から半ばよりも高く、20代半ばから30代の後半が多かったそう。「クラウドファンディングということで、ある程度知識があり、お金にも余裕がある人が多いからでしょう。とはいえ、スーツの知識が少ない新卒をはじめとする若い人たちだけでなく、当初の想定よりも高い年齢層の人たちにも魅力あるサービスとして感じてもらえたのは嬉しいことです」

また、スーツは制服として「何でもいいけど、楽に着られればいい」という方に簡単に使っていただければいいと考えていたものの、少し質が高いものが欲しいと考える高めの年齢に訴求したことから、「このサービスを使うとおしゃれになるのでは」「毎日違うスーツを着られるのでは」という期待があることが感じられたそうです。

ただ、新しいサービスを使ってみたいという人と、マス化したとき入ってくる人は違うので、継続したサービスにするために、まずはしっかり最初のユーザーにファンになってもらって、新しいものには抵抗のある人たちも使いたくなるサービスにしていきたいと思っているとのこと。

「サブスクリプションビジネスで重要なのは、初回と次回の対応。最初にできるだけ満足してもらうのは大事ですが、初回はどうしても不満が出るものです。でも、2回目、3回目と切り替わるとき、前回の不満が改善されていて満足してもらえることが非常に大事だと思っています。また、2回目にチャットで意見を聞いたり、3回目は手書きのメッセージが箱に入っていたりなど、覚えていてくれているとお客さまに感じてもらえると、継続性に繋がるのではないでしょうか。コンシェルジュサービスもそうですが、顔を直接見せないネットサービスとは言っても、人と人との関係を大事にし、相手の気持ちを感じられるサービスにしたいです」

いつもと違う服がもたらす新しい世界

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「suitsbox」の配送ボックス
Imge: AOKI

事前調査としてミレニアル世代11名に2カ月間『suitsbox』を体験してもらったところ、興味深いことがわかったそうです。サイズのほか、好みの色や素材を聞いてから送るわけですが、「いつも使っているので黒のスーツをください、紺やグレーは嫌です」と言う人たちに希望通りの黒を送るのと、あえて嫌だと言っているライトグレーを送るという2通りを試したそうです。すると希望の黒を送った方は、いつもと同じで変化がないため、可もなく不可もなくという反応になりました。ところが、希望と違う色をあえて送った方は、「いつも自分が選ぶものではなかったので、凄く新鮮でした」「友人や職場の人からいつもと違うコーディネイトだねと言われて嬉しかったです」と、より満足度が高いという結果が出たのだとか。

「これは真理だと感じました。いつもと少し違うものだったり、ファッショナブルなものだったりと色々ありますが、いずれにせよ、今持っているものと多少違うものの方が喜ばれるということです。つまり、我々の『suitsbox』がお客さまに提供するのは『出会い』だと考えています。箱を開けたときに、こんな思わぬものが来たという驚きや喜び、そして新しい自分に変身できるという『チャンス』をお渡しすることです」この永沼さんの言葉から、『suitsbox』のポリシーが感じられました。さらに、永沼さんは以下のように言っています。

「お客さまに今までに感じられなかった世界を体験していただきたいです。コンシェルジュサービスも、それができる『最適なアイテム』をお渡しする役目といえます。いつものビジネスウェアと違うものを着ることによって、周りの見る目が変わり、自分の気持ちもあがります。ポジティブなマインドはさまざまな良い効果を生むでしょう。世界が変わるのを感じてほしい。お客さまが良い方向にいけるような手助けが、『suitsbox』を通してできればと思っています」

新生活というタイミングをきっかけに、ビジネスウェアを通して一歩新しい世界に踏み出してみるのはいかがでしょうか。


Image: AOKI, Ollyy / Shutterstock.com

Photo: ライフハッカー[日本版]編集部

Source: Makuake, KNOWER's, suitsbox

今井麻裕美

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