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ちょっとの投資で違いは歴然! 3万円前後で買える、本格ビジネスシューズ3選

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ちょっとの投資で違いは歴然! 3万円前後で買える、本格ビジネスシューズ3選
Photo: 竹内泰久

“相手の足元を見る”という言葉があるとおり、ビジネスシーンにおいて靴は意外なほど他人の視線に晒されています。まったく手入れをせずに、ソールがすり減っていたり、アッパーが汚れていたりするのは論外ですが、残念ながら、いまだ多くの男性がビジネスに不向きで無意味なデザインの靴を選んでいるのが現状です。そんな残念なビジネスマンにならないためにも、スーツに合わせるべき本格紳士靴をご紹介。しかも、すべて3万円台で買えるのです!

あなたのビジネスシューズ選びは間違ってる!?

低価格でも品質のいいスーツが出回り、比較的安価でオーダーメイドを選ぶこともできる現在。スーツはきっちり着こなしているのに、靴選びで失敗しているビジネスマンがいかに多いことか。

ダメな例でいえば、たとえば、トウ(つま先)がとがって反り上がったデザイン、トウから履き口にかけて2本の縫い目が入るデザイン、おじいさんが履いている健康靴のようなデザイン。これらはすべて、紳士靴本来の製法や目的から外れたものであり、決してスーツに合わせるべきデザインではありません。

いきなり高級ブランドは難しいけど、手の届く本格派がある

もし、あなたがしかるべき立場にいて経済的な余裕があるのであれば、世界的に認められている高級ブランドの本格靴を手にするといいでしょう。でも、20代から30代前半のビジネスマンが、毎日の通勤や外回りで酷使する靴に大金をつぎ込むのは非現実的です。そこで、ちょっと頑張れば手の届くプライスでありながら作りがしっかりしており、クラシックなデザインを踏襲した、本格的なビジネスシューズを国内外のブランドから厳選しました。

仕事用靴を選ぶポイントは、次のとおりです。

①仕事用にふさわしい正統派のデザインであること

ここ数十年でイタリア靴の人気が高まり、流線型のエレガントなフォルムやアッパーにグラデーションを施した紳士靴を好む人も少なくありません。しかしながら、こうしたドレッシーな靴は、よほどの上級者でない限り、手を出さないほうが賢明。なぜならスーツが生まれ、着こなしのルールまで定めたのがイギリスだからです。すべての正統派=クラシックの源流はイギリスなのであって、紳士靴も当然ながら英国式がお手本なのです。

②手入れさえすれば、長年履き続けられる作りの良さ

靴には大きく分けて、グッドイヤーウェルテッド製法(英国靴に多い)、マッケイ製法(イタリア靴に多い)、ノルウェイジャン製法(登山靴に多い)、セメント製法(デザイナーズブランドに多い)があります。それぞれ特徴と利点は異なりますが、本格的紳士靴として一般的なのが、堅牢性に優れ、靴底が交換可能なグッドイヤー製法です。近年はセメント製法の技術も進化しましたが、大人が選ぶべき本格靴の製法とは言えません。

③自分の足型に合う把握して信頼できるブランドを選ぶ

日本人の足型は、欧米人に比べて、甲高・幅広であるといわれています。まずは、自分の足型(足長・足幅・足囲)をなるべく正確に把握しておくことが肝心です。スニーカーに慣れた若い人は、つい大きめのサイズを選んでしまいがちですが、それは大間違い。グッドイヤー製法の靴は、最初はきつくても半年もすれば自分の足にフィットします。日本人の足型にも合う、サイズ展開が豊富なブランドを選び、信頼できる店で計測してもらいましょう。

④色選びの基本は黒のスムースレザー、茶ならダークブラウン

多くのビジネスマンが不用意に茶の革靴を選んでいますが、これこそ失敗の元に。なぜなら茶は、限りなく幅のある色だからです。茶系であってもベージュやボルドーは仕事用の靴としては不向きです。そもそも英国で茶靴は、カントリー用(レジャー用)でした。現在はそれほど厳密ではなくなりましたが、仕事用スーツに合わせていいのは、ダークブラウンのみ。迷ったら、とにかくスムースレザーの黒を選びましょう。

⑤雨天時に滑らない「ダイナイトソール」が実用的

返りがいいレザーソールはメンテナンスさえ怠らなければいいのですが、革靴初心者は履き潰してしまうのがオチ。雨の日が多く、滑りやすい路面が多い日本の都市では、レザーソールが活躍する機会が限られてしまいます。そこで、紳士靴らしい気品を損なうことなく、滑りにくく、耐朽性のある「ダイナイトソール」(※1)をおすすめします。ちなみにこれよりは少しカジュアル感が出てしまいますが、「リッジウェイソール」(※2)という選択もあり。

※1 下で紹介している靴のソールに注目

※2 リッジウェイは「あぜ道」を指し、カントリーシューズなどに用いられるソール

ジャラン・スリウァヤの内羽根キャップトウ

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Photo: 竹内泰久

キャップトウ¥28,000/ジャラン スリウァヤ(GMT☎03-5453-0033)

まず買うべきは、オールマイティな正統派

靴には数数え切れないほどたくさんのデザインがありますが、もっともクラシックで汎用性の高いとされるのが、内羽根(紐通しの部分が、つま先革の内側に縫い付けられている)のキャップトウ(つま先に横一文字の縫い目が入るデザインで、別名ストレートチップ)です。ビジネスはもちろん、フォーマルな場所でも通用し、冠婚葬祭にも使えます。英国では内羽根式をオックスフォードと呼び、バルモラルという別名もあります。

高級ブランドで用いられる製法なのに、3万円以下!

税抜きで3万円を切る低価格でありながら、ハンドソーンウェルテッドで仕上げているのが、ジャラン・スリウァヤの最大の特徴。現在この製法は、一部の高級ビスポークシューズでしか用いられておらず、数十万円は下らないとされます。基本的な構造はグッドイヤー製法と同じですが、アッパーとウェルトをミシンで縫い上げる箇所を手縫いで行います。それゆえ堅牢性も高く、ソールの交換が容易にできる利点があります。

インドネシア発のファクトリーブランドだから可能に

長い間オランダの植民地だったインドネシア。この地で1919年に創業し、軍靴の製造を請け負っていた靴工場がフォーチュナーシューズです。戦後は主に現地用のサンダルを製造していましたが、現社長のルディ氏は昔ながらの製法を生かした本格紳士靴を目指していました。そこに目をつけたのが、数多くの海外有名ブランドの靴を輸入販売してきた日本のGMTでした。いち早くフォーチュナーシューズの実力を見抜き、両社の提携によってジャラン・スリウァヤが2003年にスタート。

最初は見向きもされなかったインドネシア製の本格靴

ブランドがスタートした2000年代初頭は、多くのセレクトショップがオリジナルのスーツを積極的に展開し始めた時期でもありました。それまでスーツは10万円前後が中心でしたが、5~7万円くらいのプライスで高いクオリティを維持したスーツが主役になっていきます。こうした価格帯のスーツに合わせるべき紳士靴として、次第にジャラン・スリウァヤが注目されはじめたのです。

紳士靴の生産地として有名なのは、英国ノーザンプトンやイタリアのマルケ州などで、「インドネシア製の靴なんて…」と当初は見向きもされなかったそうですが、ユナイテッドアローズとビームスが大々的に取り扱うようになると、他のセレクトショップが追随し、有名百貨店でも取り扱われるようになりました。

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Photo: 竹内泰久

日本人の足に合わせやすく、実用性も考慮してアレンジ

日本の総代理店であるGMTは、ヨーロッパ随一の高品位なタンナーであるデュプイ社のレザーや、耐久性に優れたダイナイトソールといった海外サプライヤーによる部材をルディ氏に紹介しました。これによって、欧米の高級ブランドしか認めないという靴好きさえもその実力を認めざるを得なくなりました。

こちらで紹介しているキャップトウは、甲高で幅広の日本人の足型に合わせやすい特別な木型を採用した、同ブランドのベストセラー。程よいボリュームのトウとヒールの高さに加え、耐久性に優れ、雨天でも安心して履けるダイナイトソールを組み合わせることで、外回りの多いビジネスマンの強い味方に。

42ND ロイヤル ハイランドの外羽根パンチドキャップトウ

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Photo: 竹内泰久

パンチドキャップトウ¥29,500/42ND ロイヤル ハイランド(42ND ロイヤル ハイランド代官山店☎03-3477-7291)

2足目で大きな変化をつけるならダークブラウンを

普遍的な内羽根のキャップトウを手にしたら、次に買い足すべきはパンチドキャップトウです。パンチドというのは穴飾りのことでパーフォレーションとも言いますが、これがあるだけでグッと印象は変わります。ダービー、ブルーチャーとも呼ばれる外羽根式は、紐通しの部分がつま先革の両側から覆う形状のこと。ほんの少しだけカジュアルな印象になり、ダークブラウンを選ぶことでさらにこなれた印象になります。

英国式靴のノウハウを吸収した歴史ある日本ブランド

ブランド名の42ND ROYAL HIGHLAND(フォーティセカンド ロイヤル ハイランド)は、勇猛果敢なことで知られるスコットランド陸軍連隊にちなんだもの。その歴史は今から四半世紀前の1983年まで遡ります。以来、日本ブランドの紳士靴のOEMを幅広く手がけ、業界内で確固たる知名度と人気を得るようになりました。

数々の流行を経てたどり着いた普遍的な形と作り

80年代後半から00年代前半は、日本のファッション界が激変した時代でもありました。42NDのショップがスタート当初は、英国ブランドの取り扱いがメインでしたが、90年代以降はイタリアクラシコが大きく取り上げられ、様々なイタリアブランドが人気を博しました。こうした紳士靴のトレンドを捉えながらも、オリジナルブランドではあくまで英国的なクラシックスタイルと製法を踏襲。

日本人の足型に合う木型を採用し、手頃な価格で

オリジナルブランドのスタートからこだわっているのは、日本人の足型に合う靴であること。試行錯誤を繰り返しながらオリジナルの木型を製作し、サイズも豊富に展開。革の裁断・縫製からコバの成型まで、職人の手で行われているのです。通気性を高めるフェルトを敷き詰めたミッドソールによって、グッドイヤーウェルテッド製法特有の“沈み込む感覚”を味わうことができ、履き込むほどに足になじんできます。長年の信頼関係で結ばれ、技術提携しているファクトリーによってこのフェアプライスを実現しています。

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Photo: 竹内泰久

生ゴムの含有量を調節したオリジナルソールを採用

ラバーソールを世界に供給していることで有名なビブラム社への別注は、そう簡単なことではありませんでした。しかし、長年のアプローチによってこれを実現。英国製のダイナイトソールより磨り減りにくく、高いクッション性を誇るビブラム社別注のオリジナルソールを開発。柔らかくソールの返りがよいという特性も併せ持っています。元々日本人よりも体格が良い欧米人の靴が、我々日本人にとっては堅く履きづらく感じるのは当たり前で、こうしたソールの返りという問題も改善したのです。

バーウィック1707のモンクストラップシューズ

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Photo: 竹内泰久

ダブルモンクストラップ¥33,000/バーウィック1707 (堂島靴店☎06-6226-4800)

3足目はスーツにもジーンズにも似合うダブルモンク

15世紀ごろの修道僧(=モンク)が愛用していた、バックル留めの靴がモンクストラップシューズです。それらの多くはシングルモンクと呼ばれるもので、こちらのダブルモンクストラップが一般的に知られるようになったのは、ウィンザー公として有名なエドワード8世が作らせた(ビスポークした)靴が元となっています。飛行士が愛用していたアビエイターブーツにヒントを得て生み出されたもので、紐無し靴で唯一スーツに合わせてもいい靴でもあります。またミリタリーが出自ということもあり、ジーンズなどカジュアルな着こなしにも使えます。

スペイン発のグッドイヤーウェルテッドのブランド

高台にそびえる古城跡を抱くスペイン東部の街アルマンサ。およそ2世紀にわたり革靴の名産地として栄えるこの街で、1991年に誕生したのがバーウィック1707です。熟練した靴職人の卓越した技術と、機械縫いの工程を複合的に組み合わせ、効率的な製造ラインを構築。生産性の向上とコストの軽減を両立し、本格的な作りと欧州で好まれるデザインを、他の英国ブランドやイタリアブランドよりも、ぐっと買いやすいプライスで提供することを実現しました。

2010年代から次第に日本でも高く評価されるように

欧州ではすでに高い評価を得ていたこのブランドが、日本に紹介され始めたのは00年代後半から。今回取材にご協力いただいた堂島靴店が、最も幅広くバーウィック1707を取り扱い販売しています。その秘密は、イメージのいい欧州ブランドでありながら、グッドイヤー製法で3万円前半というバランス。さらに付け加えれば、セクシーな味付けがなされたイタリア靴よりも、どちらかといえば英国靴寄りのデザインということが挙げられます。現在では全国の百貨店でも取り扱われるようになりました。

日本人の足型にも合わせやすい木型とフォルム

こちらのダブルモンクも、伝統的な英国式デザインを採用。甲高で足幅のある日本人にも合わせやすい木型(3E)を採用したラウンドトウは、程よいボリューム感。スーツにも合わせやすい上品さと、飛行靴をルーツとする男らしさが同居しています。バックルにはマットシルバーを使用し、落ち着いた雰囲気なのもポイント。コットンパンツや細身のジーンズにもなじむので、カジュアルフライデーや週末にも活躍してくれます。

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Photo: 竹内泰久

人気モデルのほとんどにダイナイトソールを採用

また、バーウィック1707が高く評価されている理由のひとつとして、幅広いモデルにダイナイトソールを採用していることを挙げておきましょう。歴史ある欧州の靴ブランドは、どうしてもクラシック偏重主義(そこもまた靴好きには魅力なのですが…)で、レザーソールが主体ですが、バーウィック1707ならダイナイトソールのモデルを手にすることができます。もちろんリペアショップなどで、レザーソールにラバーを付け加えることもできますが、見た目も変わるし、かかるコストも決して安くはありません。そうした点でも、バーウィック1707は現在の日本のビジネスマンにおすすめなのです。

なぜ最初に買うべき数が3足なのか?

今回紹介している靴はいずれも頑丈ですが、基本的に1日履いたら2日休ませるのが、靴を長持ちさせる鉄則です。それゆえビジネスシューズを月曜から金曜までの5日間履くとすると、最低でも3足が必要となります。

基本的なケア方法としては、履き終えたら必ずシューキーパーに入れること。1日履いたらブラッシングをして、目立つ汚れをとってあげること。そして最低でも月1回は、靴クリームを塗って磨くこと。このケアさえ守れば、最低でも5年以上、うまく行けば10年以上持ちます。

4足目以降に買い足すべきはこの3足!

最後に、基本の3足を揃えた後に買い足したいモデルをご紹介します。

カントリージェントルマンを気取る骨太な茶靴

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Photo: 竹内泰久

ウィングチップ¥34,000/ジャラン スリウァヤ(GMT☎03-5453-0033)

全体的に幅広で、ボリュームのあるラウンドトウが特徴のウィングチップ。傷が目立ちにくく、耐久性の高いグレインレザーと耐水性が高いストームウェルトを採用し、多少の雨なら難なく使えます。スラックスはもちろん、ジーンズにも合わせやすい一足。

自慢のオリジナルビブラムソールを採用したUチップ

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Photo: 竹内泰久

Uチップ¥29,500/42ND ロイヤル ハイランド(42ND ロイヤル ハイランド 代官山店☎03-3477-7291)

エプロンフロントとも呼ばれるUチップは、キャップトウやプレーントウよりもカジュアルでこなれた印象を与えます。モカシンから派生したものですが、もちろんスーツに合わせても遜色のないデザイン。42NDが誇るオリジナルソールで履き心地も抜群。

週末にも素足で履きたい軽快なタッセルローファー

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Photo: 竹内泰久

タッセルローファー¥33,000/バーウィック1707(堂島靴店☎06-6226-4800)

紐なし靴は仕事に不向きとされてきましたが、カジュアル化が進む現在はローファーが許容されるビジネスシーンが増えました。程よいボリュームのトウと編み込んだレザーが美しいこちらは、もちろんグッドイヤーウェルテッド製法でダイナイトソール。


スーツはもちろんのこと、ジャケパンスタイルにもぴったりで、週末のスマートカジュアルにも使える、本格派です。記事を参考に、新年度から装いも新たに、本格ビジネスシューズで身を固めてみませんか?


Photo: 竹内泰久

Source: ジャラン スリウァヤ , 42ND ロイヤル ハイランド , バーウィック1707

(文・川瀬拓郎/スタイリング・安部武弘/編集・庄司真美)

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