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SNSで読まれる文章を書くには? 覚えておきたい4つのポイント

SNSで読まれる文章を書くには? 覚えておきたい4つのポイント
Photo: 印南敦史

この一冊で面白いほど人が集まるSNS文章術』(前田めぐる著、青春文庫)は、2013年に刊行された『ソーシャルメディアで伝わる文章術』を文庫化したもの。この数年の間に大きく変わったSNS事情を組み入れつつ、大幅な修正が加えられているのだそうです。

タイトルは「SNS文章術」となっているものの、「ソーシャルメディア(SNS+ブログ)」の文章術として活用できるようにまとめられているところが特徴。ただし、闇雲にフォロワーを増やしたり、裏技を使ったアクセスアップを目指すような本ではないといいます。にもかかわらず、前著を成果に結びつけている人は驚くほど多いのだとか。

ちなみに、成果を上げている人たちに共通しているのは「目的意識が高いこと」。そのため、「いたずらにアクセスを増やしたいわけではなく、自分が会いたいと思う人にこそ読んでもらえる文章が書きたい」「万人受けする文章より、特定の人に刺さる文章を書きたい」というように考えているのであれば、本書はきっと役立つと著者は記しています。

そして、この一冊にぎゅっと凝縮した、

・どうでもいい人ではなく「会いたい人・仕事・情報」を集めるためのコツ

・人の心の刺さる! 伝えたいことが伝わる! 言葉のつくり方

・オリジナルのネタの集め方・書き方

・疲れない(SNS疲れに陥らない)続け方 などなど

実戦を重ねることで、

・PVが上がる・リツイートされる・いいね! が増える

ということが、起こるのです。 (「はじめに」より)

きょうは、そんな本書の第2章「この7つのコツをおさえるだけで、もっと『読まれる文章』になる!」のなかから、いくつかのポイントを抜き出してみたいと思います。

ソーシャルメディアで読まれる文章とは?

ソーシャルメディアにおける「いい文章」には、「思わずシェアしたくなる」「『いいね!』をつけたくなる」「ついコメントしたくなる」「また読みたくなる」「長くても最後まで読んでしまう」など、共感と行動が伴うもの。どれも文章を読んだうえでのことであり、つまりは読んでもらったからこそ、行動につながるわけです。

また、スマホなどのモバイルツールが一般化したいまは、いつでもどこでも、短い時間を細切れに活用することが可能。それは、同じ画面を見続けるということは皆無に等しいということでもあります。だとすれば、パッと見て、瞬時に興味を持てる内容だと感じてもらわなければ、最後まで読んでもらえにくいということになります。では、わかりにくい文章とはどのようなものなのでしょうか? 著者が示す、わかりにくい文章と改善点を見てみましょう。

伝える対象がぼやけている

→ 伝えたい相手をはっきりさせて書く

漢字や専門用語、略語が多い

→ わかりやすい言葉に言い換えたり、注釈をつけたりする

伝えたいことが整理されていないので、意味が通じない

→ 一文一義。1記事1テーマで書く。箇条書きも使う

論旨が通っていない

→ 接続詞を使って論旨を通す

意味が複数に読み取れて、混乱する

→ 意味が通じるように整える

誤解を避ける

→ 混乱を避けて「分かる化」する

見た目に読みにくい

→改行したり、段落を空けたりして、見た目をスッキリさせる

(50ページより)

「万人受け」を狙わず「伝えたい人」に向けて書く

「いい文章を書いて友だちを感心させよう」と意気込む気持ちもわかるものの、力み過ぎも禁物だと著者。最初から100点満点の文章を目指しても、息切れしてしまうわけです。ソーシャルメディアでの発信は、短距離走ではなく長距離走。無理をせず、できる範囲で続けることが大切だというわけです。そのためにもまず、60点でもいいから書いてみるべき。気軽に気負わず書くことが、結果として継続につながるということです。

しかし、なにから書いていいかが漠然として、テーマが定まらないということもあるはず。そこで、まずは目の前にいる最初の読者に向けて書いてみようと著者は提案しています。

たとえば「サークル限定で書いてみよう」と決めた人なら、サークル仲間がメインの読者ということになります。ビジネス活用したい人なら、理想とする顧客を想定し、その人に向けて書いてみればいいわけです。プライベート、ビジネスの双方で書いているという人も、「価値観が近い人」というふうに自分なりの読者をイメージすることが大切。

その人が知りたいことは何でしょうか? どんな話題なら興味を持ってくれそうでしょうか? 何か悩んでいることに対して、もしあなたが答えを持っていたら、それを書いてもいいですね。きっと感謝されるに違いありません。 (56ページより)

大切なのは、「読者はなにを知りたいか」「なにについて悩んでいるか」など、読者が読みたい内容を、「自分」というフィルターを通して書いてみること。自分だから気づいたこと、感じたことを、素直に書いてみればいいということ。万人に受ける必要はなく、伝えたい人に向けて書けばいいわけです。(54ページより)

「むずかしい言葉」は「やさしい言葉」に変換

ソーシャルメディアでは論文を書くわけではないので、専門用語やカタカナ言葉を使って、権威やキャリアを示そうとするのは逆効果。専門家として書く場合は、一般の人もわかるように、なるべくやさしい言葉で書くべきだということです。カタカナ言葉はわかりやすい言葉にし、専門用語には解説を加え、漢字を多用せず一部をひらがなに。それだけで、柔らかい印象になるわけです。

NG例

「誰もが自分の個性を発揮できる未来を」。そんなSさんのフィロソフィーにシンパシーを覚えて、この空間に来ました。 エントランスのウェルカムボードに早くも高揚感があります。ワークショップでは、そこに集う人たちそれぞれのイマジネーションを明文化。その文書をペーパーに出力して共有。知の共有というムーブメントが凝縮されたハイブリッドな時間でした。 OK例

「誰もが自分の個性を発揮できる未来を」。そんなSさんの哲学に共感を覚えて、この空間に来ました。入り口のウェルカムボードに早くもワクワク感が高まります。 ワークショップでは、そこに集ったみんなの想像力が明文化され、その文書を、その場でプリントし、共有することができました。 知の共有という新たな動きがギュッと詰まった時間でした。

(59ページより)

日ごろからカタカナ混じりの会話をする人がこうした文章を書こうとすると、どうしてもリズムが悪くなってしまうもの。そこで、いったん好きなように書いて、あとから見なおし、「この言葉は社会的にまだ認知度が低いかもしれない」と感じる箇所を、あとから言い換えるようにすればいいといいます。自分のリズムで書き上げたあとに修正することになるため、流れが悪くなることを抑えられるわけです。

言葉の好みや選び方は、その人の書く文章の文脈になり、ひとつの空気感をつくり上げるもの。「わかりやすさ」を念頭に置きつつ、「自分らしさ」も少しずつ意識するといいということです。(58ページより)

重複を避けると「大人文」になる

NG例

私ね、今料理教室で料理を習ってるんです。料理教室って面白いですよ。男性も意外と料理教室に来られてますよ。親子で料理教室に来る方もおられますよ。料理教室で料理を習って、料理の腕を上げて妻をびっくりさせるつもりです。

OK例

私ね、今料理教室で料理を習ってるんです。面白いですよ。男性も意外と来られてますよ。親子で学ぶ方もおられますよ。料理の腕を上げて、妻をびっくりさせるつもりです。

(77ページより)

もしも大人がフェイスブックで上記NG例のような投稿をしたら、子どものセリフと大差がないため不自然。話し言葉は発せられたそばから消えていくのであまり意識されませんが、文章の場合はまた別。隣接した文と文で同じ言葉を使うと、どうしても子どもっぽい印象になってしまうわけです。逆に言えば、言葉の重複を避けるだけでも、文章はぐんとレベルアップして「大人文」になるということ。

重複させないように気をつけると、代用できる他の言葉を探すことにつながるため、語彙も増えます。そして語彙力がつくと、表現の幅が広がることにもなります。すると当然のことながら、書くことがどんどん楽しくなるはず。借り物ではない自分の言葉を使って、自分らしい文章が書けるようになるわけです。




コピーライター・プランナーである著者は、少しの気配りやちょっとしたコツを知るだけで、SNSなどのソーシャルメディアにおいて大切な人たちと楽しく交流できるようになると主張しています。デスクの隅に置いておき、辞書のように活用すれば、SNSでの文章力がアップするかもしれません。

Photo: 印南敦史

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