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40歳を過ぎても会社に必要とされるために。生涯勉強を続けるための「15の心得」

40歳を過ぎても会社に必要とされるために。生涯勉強を続けるための「15の心得」

いまの時代、「学ぶこと」は学生や研究職に就いている人たちだけに必要とされるものではない。ビジネスの現場で経験を積み、プレーイングマネジャーとして忙しい毎日を送っているような年代の人たちこそ、改めて「学び方」を見なおすべき。

そう主張しているのは、『40歳を過ぎても「会社に必要とされる人」でいるための学ぶ技術』(石田 淳著、日経BP社)の著者。米国で成果を上げている行動分析に基づいたマネジメント手法を、日本人向けにアレンジして「行動科学マネジメント」を確立したという人物です。

大事なのは、「これからのグローバル社会では英語が大事だ」「いや、プログラミングを学ぶべきだ」「やっぱりMBA(経営学修士)を取得するべき」といったように、学ぶ対象を見定めることではありません。仕事で必要となる知識は、あなたが想像する以上の速さでさま変わりしていくからです。学ぶ対象を見つけることよりも大切なのは、多忙な毎日の中で効率的かつ継続的に学び続けるための技術。それも、学生たちのそれとは違うやり方が必要です。(「序章 なぜ今、学ぶ技術が必要なのか」より)

そこで本書では、行動科学マネジメントの手法を用い、働き盛りと言われる30〜40代向けの「学ぶ技術」を解説しているわけです。そのなかからきょうは、終章「生涯勉強を続けるための15の心得」をご紹介したいと思います。

心得1:ときにスマホから離れる

ビジネスパーソンに「仕事に集中できない理由」を問うと、「必要以上にメールをチェックしてしまう」「調べ物をしていると、ついネットサーフィンをしてしまう」などの返答が多いと著者。勉強の効率を上げるためにデジタルツールは大いに活用すべきですが、ツールに振り回されたのでは無意味。なにかに集中しようとする際は、インターネットにアクセスできない環境に身を置くことも大切。

著者も、あえてスマートフォンを持たずにカフェに出かけることがあるそうですが、その間に重要な着信やメールがあったとしても、すぐに折り返せばなんの問題もないといいます。(185ページより)

心得2:「すぐに取り出せる」状態にしておく

どんな場所でも、短時間で勉強に集中するためには、勉強道具が取り出しやすい状態にあることは重要。落ち着いて勉強できるときは、必要な教材を自由に使ってかまわないものの、その一方、通勤電車などで細切れの時間を使って勉強する方法を考えて置くことも大切。そこで、持ち歩くのが簡単で、カバンからすぐに取り出せる「勉強セット」をつくっておくことを著者は勧めています。(186ページより)

心得3:普段から「無理せずやれること」を繰り返す

うまくいっている人は、普段から無理をしないもの。ハードルが高すぎることは上手にスルーし、「ちょっとがんばればできること」を見極め、成功体験を重ねているということです。「自分はできる」と思えれば、新しいなにかにチャレンジすることも苦しくなくなるはず。肩の力を抜いて、いつもの自分で取り組むことができるというわけです。(187ページより)

心得4:最初に張り切らない

やろうと決めたら張り切ってしまうのが人間ですが、書いて字のごとく「張り切って」しまうと、それ以上は伸びようがなく、あとが大変。それを知っている人は、最初はあえて抑え気味にし、まず自分の状況を観察するもの。客観的に見て「もう少し行けそうだ」と思ったら、ちょっとがんばればOK。つまりは、一見、頼りないくらいの滑り出しでいいということ。(188ページより)

心得5:ネガティブな感情をうまく処理する

人間は不安感を抱きやすくできているので、勉強するにあたっても、すぐに「どうせできっこない」「ダメに決まっている」などとネガティブな気持ちに傾きがち。だからこそ、それらに邪魔されないよう、学習前には心を整えておくべき。

著者によれば、そのための最も簡単な方法は深呼吸。かつ、その呼吸を数えることで雑念が消えていくといいます。深く吐いて1、深く吸って2、深く吐いて3、深く吸って4…ということを20くらいまで続けると、自然と心が落ち着いてくるそうです。(189ページより)

心得6:「自己効力感」を高く保持する

私たちは「できそうだ」と感じたことはほとんどできるし、「できないかもしれない」と思ったらできません。その「できそうだ」という思いを「自己効力感」と呼ぶといいますが、自己効力感は、次の4つの要素によって生まれやすくなるもの。

1. 自己の成功体験=これまでに同じようなことでうまくできた経験があること

2. 代理的経験=他人がうまくこなすのを見て、自分もできそうだと思うこと

3. 言語的説得=自分にはその行動をうまくできる自信がなくても、他人から「あなたならできるよ」などと言ってもらうこと

4. 生理的・情動的状態=達成感や喜びによって起きる変化

自分の成功体験や人の応援を利用して、自己効力感を高めておくことが大切だということ。(190ページより)

心得7:さまざまな事象を数値で考える

テストで点数をつけられていた子ども時代とは違い、社会人になると一気に曖昧な評価をされるようになるもの。すると、自分はどういうところが負けているのか、弱みはどこなのかということがわからなくなります。

そこで、自分の成績やビジネススキル、会社の状況、世の中の流れなどについて、曖昧な評価を下す癖から脱却すべき。普段からどんなことでも数値を用いて明確に考える習慣をつけておく必要があるということです。(191ページより)

心得8:質の高い睡眠を取る

知的な学びは、冴えた頭でこそ可能になるもの。そのため、普段からよい睡眠を取るよう心がけておくことが大切。睡眠で大事なのは、長さではなく質。そこで、まずは自分が質の高い睡眠がとれているかを把握する必要があるといいます。そこで、寝ている間に睡眠の状態を計測してくれる「睡眠計」などを活用すべき。(192ページより)

心得9:エンデュランス系のスポーツをする

ランニング、水泳、自転車、ウォーキングなど単純な動きをひたすら行う「エンデュランス系スポーツ」は、ちょっとした空き時間に行うことが可能。難しい技術も必要ないので、心を空っぽにして続けることができます。そのため、瞑想にも似た効果をもたらすのだとか。つまり普段からエンデュランス系スポーツを習慣にしていれば、心が整い、勉強にも集中できるということです。(193ページより)

心得10:「ゼロか100か思考」から自由になる

世の中の大半のことはグレーなので、なにごとについても「白黒つけよう」とするべきではありません。「100%でないならゼロと同じだ」という極端な考え方は、学びの大きな障害になるといいます。

もちろん100%できたら理想的ですが、なかなか思ったようには動けないもの。たとえば「2時間勉強しよう」と思っていたのに、15分しかできなかったとします。そんなときは、「15分でも価値があった」と考えるべきだということ。一歩でも動けば、ゼロよりもずっといいのですから。(194ページより)

心得11:「やらなければならないこと」を最優先する

どんな仕事にも「やらなければならないこと」と「やったほうがいいこと」がありますが、忙しいプレーイングマネジャーが最優先すべきは「やらなければいけないこと」。そういう仕事は困難なものが多いため、つい「やったほうがいいこと」から手をつけてしまいがちですが、その結果、自分を追い込んでしまうことにもなりかねません。そこで、普段から「やらなければならないこと」を先に片づける習慣をつけることが重要。(195ページより)

心得12:不安の正体と向き合う

勉強を続けていると、「こんなことをしていても無駄なのではないか」など、不安に襲われることがあるもの。そんなときは不安から目をそらさず、しっかり向き合うべき。不安を曖昧なままにしておくと、どんどん膨らんでしまうから。大切なのは、現実問題としてどれくらい遅れているのかを数値で把握すること。ただ恐れるのではなく、しっかり不安の正体を見つめればいいわけです。(196ページより)

心得13:「将来のため」にいまを我慢しない

ビジネスパーソンは一生学び続けることが必要だからこそ、勉強を「苦しいもの」にしてはいけないと著者は主張します。10年後の自分は、いきなり10年後に存在するのではなく、きょうという日の延長線上にあるもの。悲壮な覚悟で将来に対峙するのではなく、きょうを楽しみながら、勉強も入れ込んでいくというスタンスが必要だということです。(197ページより)

心得14:「ポジティブ」礼賛者にならない

私たちは「なにごともポジティブに考えなければならない」という脅迫観念にとらわれがち。しかし、ポジティブシンキングもネガティブシンキングも、もともと人間に備わった気質。その時々で、どちらが優位になってもいいということ。勉強を続けるにはポジティブシンキングも必要ですが、無理に自分をそういう状況に置こうとしてはいけないという考え方です。(198ページより)

心得15:多様な価値観を認める

プレーイングマネジャーは「よくわからない部下」に悩まされることも少なくないでしょうが、そもそも他人についてイライラするのは、多様な価値観を認められないから。そうした姿勢は、グローバル社会で長く仕事をしていくうえでは不利になるもの。理解しづらい若者たちから、いろいろ教えてもらうくらいの気持ちでいることも、大事な「勉強」だと著者は記しています。(199ページより)




本論では、深く具体的に「学ぶ」ための方法などが掘り下げられています。これらの「心得」を踏まえたうえで本論から多くのものを吸収すれば、将来的に「必要とされる人」になることができるかもしれません。

Photo: 印南敦史

印南敦史

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