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マネー特集─今さら聞けない、お金の疑問

移住者に聞くお金事情―南国フィジーのローコスト生活は、物価だけでなく文化が支えている

移住者に聞くお金事情―南国フィジーのローコスト生活は、物価だけでなく文化が支えている
ChameleonsEye / Shutterstock.com

2007年、29歳のときにフィジーに移住し、在住11年目の永崎裕麻といいます。フィジーは世界100カ国以上を旅し、たどり着いた楽園です。

今月から来月にかけてライフハッカー[日本版]では「マネー特集」を行っています。そこで日本人の移住先としてはちょっとマイナーですが、南国フィジーのお金事情についてご紹介させていただきます。

物価が安いイメージのフィジー、実際は? 意外にお金がかかるものはあるのか

フィジーの物価はざっくりいうと、日本の半分くらい。 現地で働く日本人(現地採用)の給与は月給(手取り)で、2000〜3000フィジー・ドル(12〜18万円)くらいが平均的です。

フィジーで高いと感じるものは、「車」「たまご」「マクドナルド」など。日本の中古車センターで50〜70万円くらいで購入できる車が現地だと約130万円です。逆に安いと感じるものは、「家賃」「移動費(バスやタクシー)」「ジム」「ゴルフ」「映画」「米」「野菜・フルーツ」など。

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インターコンチネンタルホテルにて
Photo: 永崎裕麻

また、フィジーは観光立国であり、ツーリスト料金(旅行者用)とローカル料金(現地在住者用)が異なります。私のような外国人でも現地在住者だと「ローカル料金」が適用され、インターコンチネンタルやヒルトンなどの高級ホテルに「30%オフ」とかで宿泊できちゃいます。

現在、私は奥さん(日本人)と息子(2歳)と3人暮らしです。 以下、「我が家の支出リスト」と「フィジーの物価一覧」となります。

※1FJD(フィジー・ドル) = 約60円

【2017年11月分の支出リスト】

  • 家賃(2LDK) 650FJD(3万9000円)
  • 食費(外食込) 440FJD(2万6400円)
  • 電気代 29FJD (1740円)
  • 水道代 4FJD(240円)
  • ガス代 5FJD(300円)
  • ガソリン代 50FJD(3000円)
  • 交際費 180FJD(1万800円)
  • インターネット/携帯代 50FJD(3000円)
  • 雑費 100FJD(6000円)
  • 合計: 1508FJD(9万480円)

【物価一覧】

  • バス代(初乗り) 0.70FJD(42円)
  • タクシー(初乗り) 1.5FJD(90円)
  • インターネットカフェ(1時間利用) 2.5FJD(150円)
  • 安いレストラン 5~10FJD(300~600円)
  • 中級レストラン 12~20FJD(720~1200円)
  • マクドナルドのBig Macセット[Mサイズ] 13.45FJD(807円)
  • 映画 6.5FJD(390円)
  • 米(5kg) 9.5FJD(570円)
  • たまご(12個) 5.5FJD(330円)
  • ゴルフ(9ホール) 15FJD(900円)
  • ゴルフクラブ(※)レンタルは別途20FJD(1200円)
  • スポーツジムの年会費 150FJD(9000円)
  • 1日クルーズ 150FJD(9000円)

日本にいたときとのお金の使い方の違い

日本で生活していた頃と比べて、お金をほとんど使わなくなりました。 支出が減った主な理由は以下の3つです。

(1) シェアリング

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みんなで仲よくシェア
Photo: 永崎裕麻

フィジーでは「私の物は皆の物、あなたの物も皆の物」という感じで、なんでも共有することが当たり前。近所の人たち同士で物の貸し借りを頻繁に行うため、新規で購入する必要がありません。ちなみに私が借りる物は、キャンプ用品やBBQコンロなどのアウトドアグッズ。逆に貸し出す物は、車やスーツケースなどです。

(2) そもそも欲しい物がない

日本だと消費意欲を掻き立てられる物がどんどん発売されます。商品自体が魅力的なだけでなく、広告も魅惑的なので、ついつい財布の紐が緩んでしまいがちです。

一方、フィジーでは広告が地味ですし、商品力が高い物も少ないので、購買意欲が高まりません(笑)。

(3) 交際費が安い

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タノアという木製の大きな器に「カバ」が入っています。
Photo: 永崎裕麻

日本での出費で痛かったのは飲み代です。1回あたり5000円は飛んでしまいます。一方、フィジーで「日本の居酒屋」に当たるのが、「カバ・ショップ」。 「カバ」とは、木の根っこを乾燥させて粉状にしたものを布で包んで、洗面器に入れた水の中でしぼり出した飲み物です。見た目は泥水、味は漢方薬、飲むと舌がピリピリしびれます。

カバはアルコールではなく、鎮静作用があります。 飲めば飲むほどテンションが上がるお酒とは違い、カバは飲めば飲むほど落ち着いてきて、リラックスした状態になります。

フィジーでの「飲み会」は、カバ・ショップにて、カバの入った洗面器を皆で囲み、ココナッツの殻を杯にして、まわし飲みするというもの。おつまみとカバで3時間くらい歓談しても一人300円くらいで済むので、非常に低コストで人間関係を深めることができます。

お金に関係するフィジー独自のサービスや文化

驚いたのはスーパーで商品を買うためにレジに並んでいると、カードを出してレジ係からお金を受け取っているお客さんがたくさんいたことです。

これはカードのデビット機能。カードを利用する際、レジ係から「same amount?(商品と同額で決済しますか?)」と必ず質問されます。そのときに30ドルの商品を買うとして、「Yes」と回答すると、30ドル分がカードから引き落とされます。しかし、ここで「50ドル」と回答すると、50ドル分がカードから引き落とされ20ドルが現金としてレジで受け取れます

日本のデビットカードもフィジーのように商品金額よりも大きい金額を申告して、差分を受け取る出金機能を備えていますが、利用している様子はあまり見られません。ところが、フィジーでは頻繁に活用されています。ATMに並ぶ手間が省けて便利ですから。

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「週払い」の表記が見られるケトルの値札。フィジーの家電量販店にて。
Photo: 永崎裕麻

他には、クレジットカードの分割払いについて。日本だと、1回や2回、5回と数カ月に分けて支払う「月払い」ですが、フィジーでは、「週払い」が一般的。写真のケトルの価格は129FJD(7740円)ですが、毎週1.36FJD(82円)ずつ支払うこと(約100回の分割)が可能です。

最後に

今月はじめ(12月6日)、都内でフィジー・エアウェイズの記者会見があり、フィジーと日本(成田)を結ぶ直行便が来年7月から復活することが決まりました。2009年3月以来、9年4カ月ぶりの再就航(週3便)となります。フィジー・ブームが再燃しそうな気配がプンプンします。フィジーに来たことがない方もある方も、ぜひぜひフィジーにお越しください。現地でお待ちしております。

永崎 裕麻(ながさき・ゆうま)Facebook

fiji_happiness 11.jpg「旅・教育・自由・幸せ」を人生のキーワードとして生きる旅幸家。2年2カ月間の世界一周後、世界幸福度ランキング1位(2011/2014/2016)のフィジー共和国へ2007年から移住し、現在11年目。現職は在フィジー語学学校(Free Bird Institute)のマネージャー。100カ国を旅した経験を活かし、内閣府国際交流事業「世界青年の船」「東南アジア青年の船」に日本ナショナル・リーダー(2017)や教育ファシリテーター(2013)として参加、教育企画の立案、スカイプ・コーチング、旅ライターとして執筆、などの活動もしており、フィジーと日本を行き来するデュアル・ライフを実践中。関心が強い分野は「留学」「海外就職」「海外移住」「難民支援」。1977年、大阪府生まれ。神戸大学経営学部卒業。一児の父。著書に「世界でいちばん幸せな国フィジーの世界でいちばん非常識な幸福論」(いろは出版)。

Image: 永崎裕麻, ChameleonsEye / Shutterstock.com

永崎裕麻

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