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口ベタでも大丈夫。「うまい質問」のスキルを身につける方法

口ベタでも大丈夫。「うまい質問」のスキルを身につける方法
Photo: 印南敦史

質問を上手に使えるようになると、世渡りが非常にラクになります。(中略)縦横無尽に「質問」を繰り出せるようになれば、たとえ「口ベタ」な人であっても、コミュニケーション力は劇的にアップします。

では、そんな「うまい質問」を臨機応変に繰り出せる“質問の達人”になるためには、どうすればよいのでしょうか?

それには、多くの質問ケースに通じておくことが一番です。(「はじめに」より)

そこで、さまざまな質問を厳選し、心理学に基づいた実践的なテクニックを紹介しているのが『口ベタでも、人を動かすうまい質問』(神岡真司著、永岡書店)。 “ビジネス心理研究家”である著者の実績がベースになっているため、本書に目を通せば「うまい質問」をするコツが自然に身につくというわけです。

著者によれば、相手に考えさせる質問型の話し方をすると、自分の気持ちが相手に伝わるのだそうです。その結果、相手は自ら行動してくれるというのです。つまり、そうした流れをつくってくれるのが「うまい質問」だということのようです。

話すのが苦手な「口ベタ」な人ほど、質問型の会話は武器になる

うまい質問には、人を動かすさまざまな効用があるのだといいます。なぜなら人は、質問されると「すぐに答えなければ」と反射的に思うものだから。つまりそれが強制力となるため、有無を言わさず質問内容に向き合わせられるというわけです。

そのため、質問内容を上手に使えば、多くを語らなくても相手に考えさせ、自発的に行動させることが可能になるというのです。つまりは口ベタな人でも、質問のカードを数多く持っていれば円滑なコミュニケーションが実現できるということ。たとえば質問型の会話のメリットとしては、次のようなものが考えられるそうです。

「君の給料は誰からもらってるの?」

→相手に「気づき」を与える

「君がやりたい企画は、具体的にはどんなもの?

→知りたいことを聞き出せる

「この書類、5枚ずつコピーしてくれるかな?」

→さりげなく命令できる

「どうしたらうまくいくと思う?」

→相手に考えさせる

「いつ、どこで、それに気づいたの?

→会話内容を明確にできる

「なぜ、こういう状況になったんだろう?」

→原因・理由を究明できる

「この企画では厳しいと、そう思わない?」

→相手をやんわり断れる

「君の実力なら実現可能だと思わないかい?」

→相手を前向きにさせる

(以上7ページより)

質問型の会話といってもさまざまですが、なるほど多くのメリットがありそうです。(6ページより)

質問の仕方で話の展開が変わり、人間関係も大きく変化する

当然のことながら、人が会話をするときには相互に「質問」が交わされることになります。そして、その質問の仕方で、会話の方向性や相手との関係性が大きく変わるわけです。

「うまい質問」は会話を弾ませて、よい印象を与えます。

「へたな質問」は会話をしぼませ、悪い印象を与えます。

(8ページより)

もしも会話中にへたな質問ばかりしていると、つまらない人物と見くびられ、会話をすぐにも終息させられるだろうと著者。それでは良好な人間関係をつくることができず、チャンスにも恵まれなくなってしまうといいます。つまり質問をする際には「うまい質問」を心がけないと、大きな損失になるだということです。

うまい質問

・ 相手が「よくぞ聞いてくれた!」とうれしくなり、答えたくなる

・ 相手の考えをよい方向に導き、なにかの「気づき」が得られる

・ 相手が簡単に答えられ、心が弾んでくる

へたな質問

・ 相手をネガティブな気持ちにさせ、答えたくないと思わせる

・ 要点があいまいで、相手がなにを尋ねているのかがわからない…

・ 相手が答えにくく、沈黙してしまう…

(9ページより)

誰にでもすぐ「うまい質問」ができる3つのメソッド

質問の目的は、相手に考えさせ、答えさせること。自分が知りたいことを教えてもらったり、相手になんらかの「気づき」を与えるなど、自主的な行動を促すものであることが望ましいということです。

そして「うまい質問」の目的は、相手を前向きにさせ、肯定的に応じさせること。だからこそ、質問の仕方が否定的であってはならないわけです。その点を踏まえたうえで、質問する際の注意点を覚えておくことが大切。次の3つのメソッドを踏まえたうえで、的確に質問するべきだといいます。

質問するときの3つのメソッド

1. 誰にどんな質問をするのか、目的を明確にする

質問する相手が、その質問に適した立場かどうかは重要です。たとえば、経理部の人に、工場の品質管理や営業に関わる擬態的な質問をしても、よい答えは返ってこないでしょう。

2. 相手が答えやすい質問をする

経理課の人には、会計の専門用語で話したほうが、相手も答えやすくなります。もし、相手が小学生なら、やさしい表現で質問することが必要でしょう。

3. 適切なタイミングを見計らって質問する

相手が質問に答えやすいタイミングかどうかは重要です。急いでいる相手に立ち入った質問をしても、迷惑がられるだけでしょう。

(11ページより)

質問はアサーティブな表現で改善する

相手を否定的にとらえたネガティブな質問は、相手の反発を招くだけ。質問は、相手を思いやりながら自己を主張する「アサーティブ」な立場で会話を進めていかなければ、なんの「気づき」も生まれず、相手を動かすこともできません。

アサーティブとは、相手を尊重し、対等に認め合った関係性で、自分の意見や要望を伝えるコミュニケーション法だそうです。相手を否定的にとらえたり、見下していては、対等な関係性とは言えないわけです。質問の仕方をアサーティブに変換するだけで、コミュニケーション力は劇的に改善するだろうと著者はいいます。(12ページより)

ケース1

×

[上司]なんで君は、いつもミスばかりするんだ? やる気はあるのか?

[部下]はい、申し訳ありません…。もちろん、やる気はあります。

[上司]どうしたらミスがなくなるのか、じっくり考えてみてくれないか?

[部下]申し訳ありません。作業工程をもう一度見直して、ご報告いたします。

ケース2

×

[妻]また接待ゴルフなの? 子どもたちをどこかに連れて行ってよ!

[夫]仕事なんだから仕方ないだろ! お前が連れて行けばいいだろ。

[妻]日曜日もゴルフで大変ね。子どもたちを遊びに連れて行くのは難しいかしら?

[夫]君にも迷惑かけるね。来週の日曜は、なんとか空けられると思うよ。

(13ページより)

いずれも上から目線になるのではなく、相手の立場に立つことが大切だというわけです。


こうした“基本”に基づき、以後の章では具体的な質問法が紹介されています。もちろん、興味ある項目や、必要な箇所だけを読むだけでも効果は期待できるはず。口ベタで悩んでいる方は、手に取ってみてはいかがでしょうか?


Photo: 印南敦史

印南敦史

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