特集
カテゴリー
タグ
メディア

書評

ビジネスマンが読むべき1冊を平日毎日ご紹介します。

「先延ばし」の癖を克服したいなら、「ぶっとんだ目標」を設定してみよう

「先延ばし」の癖を克服したいなら、「ぶっとんだ目標」を設定してみよう
Photo: 印南敦史

先延ばしは1冊のノートでなくなる』(大平信孝著、大和書房)の著者は、これまでに7800人以上の人々の夢やビジョンの加速実現をサポートしてきたという「目標実現の専門家」。そんな実績をもとに、本書の冒頭ではまず「先延ばし」の定義に触れています。「重要でないこと=些末なこと」を先送りするのは「先延ばし」ではなく、自分にとって重要なこと(=先延ばしすると自分の人生や、仕事に重大な損失が生じること)を先送りすることこそが「先延ばし」だということ。

「自分の人生で本当に実現したいことは何か?」という判断基準が、「すぐやるべきか、後回ししてもOKか」を決めるのに不可欠な視点となり、仕事と人生の質に大きく関わってくるのです。

どうでもいいことは先延ばししてもいいのです。私がいう先延ばしとは、あなたの人生で本当に重要なことを先延ばしすることだということを忘れないでください。(「はじめに」より)

そんな本書のなかからきょうは、第1章「目標設定の仕方」に注目したいと思います。ここで紹介されているのは、先延ばしをなくすために絶対必要な「ぶっ飛んだ目標」というメソッドと、そのつくりかた。未来に向けた「ぶっとんだ目標」を立てるだけで、先延ばしは劇的に減っていくというのです。

気合いと努力だけでは先延ばしはなくならない

たとえば行動量を2倍に増やしたとしても、先延ばしはほとんど減ることがありません。膨大な仕事量に忙殺されている状況下では、仕事の処理量を増やしたぐらいでは先延ばしは撃退できないわけです。

そこから抜け出す糸口は、仕事のスピード・処理速度を上げることではなく、仕事の質やレベルを変えること。いま先延ばしをしている人は、仕事に対する考え方、仕事の捉え方を変えるだけで、先延ばしを撃退できるだけでなく、仕事で成長する余地さえも出てくるというのです。

とはいえ、仕事の「質やレベル」を変えるのは、それほど簡単なことではありません。いまの自分が思いつく方法は、いまのステージでしか通用しないものであり、そもそも頭ではわかっていたとしても、「なにを変えたらいいのか」見当がつかないという場合もあるでしょう。

そこで、変わるための手段として「ぶっとんだ目標」を立てることが重要な意味を持つというのです。でも、それはどんな目標なのでしょうか?

過去と現在の延長線上に未来を描いているかぎり、先延ばしを撃退することは困難。たとえば過去と未来が綱引きしているところをイメージしてみたとき、ぶっとんだ目標がないと、未来よりも過去が勝つことになるというのです。なぜなら、過去の出来事は自分でリアルに体験したものだから。そのぶん、記憶が鮮明でイメージしやすいというわけです。

ただし、現在のステージでの努力を積み重ねたとしても、行けるのは現在のステージの最先端まで。しかし本当の意味で先延ばしを撃退したいのであれば、ステージを乗り換えることが必要。だからこそ、仕事の質的・レベル的変化を遂げるためには、どこかで「ぶっとぶ」必要があるということ。そして、そのためにはまず、未来にぶっとんでしまえばいいのだそうです。(30ページより)

ぶっとんだ目標を持てば行動スイッチが入る

先延ばしで悩んでいる人の大半は、次の4つのタイプのいずれかに当てはまる、もしくはこの4つの掛け合わせである場合が多いと著者は指摘しています。

1 不安先行タイプ

チャレンジしたい気持ちがあっても、「失敗したらどうしよう」「バカにされたらどうしよう」「誰も協力してくれなかったら…」など、うまくいかないイメージが先行します。絶対失敗しない対策を考えているうちに、やる気が萎えてあきらめてしまいます。


2 自信不足タイプ

「実績(前例・経験)がないから無理」「自分には才能がないからどうせやっても無駄」「ちゃんと調べてから」「きちんと準備してから」といった口癖があります。

自分に自信がない、または自分の仕事に自信が持てないことが多いです。誰かが背中を押してくれたり、オファーしてくれるのを待っています。


3 「あれもこれも」タイプ

とにかく、やりたいことや予定がいっぱいあります。やる気も行動力もないわけではないのですが、優先順位がつけられないのです。タスクがありすぎて、どこから手をつけていいかわからないので、全部に手をつけようとします。その結果、たくさん動いているわりには、大事なことを先延ばししてしまい、望むような結果がでません。


4 時間不足タイプ

「他の仕事の締め切りで忙しい」「まとまった時間がとれたら」などと言っているうちに、時間だけがすぎていきます。「やるべきこと」を優先するあまり、「本当にやりたいこと」に使える時間が、後回しになっています。

(以上、44ページより)

このように、先延ばしする理由はさまざま。しかし、その解決に必要な方法は「ぶっとんだ目標」を立てることだけ。それが著者の考え方です。その根拠は、ぶっとんだ目標設定で、行動スイッチが入るから。「あれをやったほうがいい」「いまこそ、これをやるときだ」というときについ行動してしまうため、結果的に先延ばしはなくなっていくというのです。そしてそのために、思いつくままに目標を書き出すことを勧めています。(44ページより)

目標を書き出す際のポイント1:夢や目標の素に「ダメだし」しない

「こんな目標じゃたいしたことないな」「これは自分には無理かも」「いまさらこの年齢では遅すぎる」「他にもっといい目標があるはず」などと思うことはあるもの、しかし自分がせっかく書き出した目標を、批判したりダメ出ししたりすべきではないということ。

なぜなら自分で考えた目標への「ダメ出し」とは、自分で自分をいじめている状態だから。しかしそれでは、自分のやってみたいことを考えたり、書いたりすることが難しくなって当然です。でも、最初の段階では、ありふれた目標でいいのだそうです。そこをとっかかりにして、ぶっとんだ目標を見つけていくのだから。

どんなに小さくて些細なことでも、逆に途方もないことでもかまいません。まずは、あなたが「いいな、欲しいな、楽しそうだな、やってみたいな、実現できたら嬉しいだろうな」ということを、ひたすら手を動かして紙に書いてみましょう。(58ページより)

つまり、自分の欲望からスタートしていいということ。(56ページより)

目標を書き出す際のポイント2:欲望を思うがままに

人の欲望に限りはありませんが、それは健全なこと。そればかりか自分の本当の欲望に素直になれると、ワクワクした気持ちが湧き出してくるもの。そして、それまで頭で考えて無理やり行動していたことが嘘のように、そのプロセスを楽しみながら行動できるというのです。しかし、そうだとすれば、自分の欲望がなんなのかを知る必要があるでしょう。そこでここでは、自分の欲望を知るための方法が紹介されています。

1. 頭の声…普段考えていることで「しなければならない」という義務感

2. 体の声…体の状態やコンディション。肩がバキバキだ、のどが痛いなど

3. 心の声…感じていること、気持ち、喜怒哀楽など

(60ページより)

この3つの声を分け、「本当はどうしたい?」と自分に問いかけてみることが大切だという考え方です。(59ページより)

目標を書き出す際のポイント3:楽しく無責任でいい

本当にやりたいことや究極の目標、キャリアのゴールなどがはっきりしていなくても大丈夫。必ず自分にふさわしい「ぶっとんだ目標」にたどり着くので、安心していいと著者は記しています。実現可能かどうかよりも、大事なのは情熱の熱量。夢は壮大であればあるほど先延ばし撃退の力になるので、楽しく無責任に思いを書き出していくことが大切だというわけです。(64ページより)

目標を書き出す際のポイント4:まずは、質より量を

目標を立てる初期段階では、目標の「質」よりも「量」が重要。目標の数が多ければ多いほど、それだけ自分にとってふさわしい目標が見つかる確率が高まるということです。そこで、まずはどんなに小さなことでも、「やりたいな」と思ったことはどんどん紙に書いてみることが大切。(67ページより)

目標を書き出す際のポイント5:悩みや課題を書き出す

やりたいことや欲しいもの、達成したいことが思いつかない場合は、発想を転換。悩みや課題、「絶対やりたくないこと、イヤなこと、さけたいこと、欲しくないもの、二度と味わいたくない気分」など、イヤなことを書き出してみるという発想です。「やりたいこと」と「やりたくないこと」はコインの表裏の関係にあるため、「やりたくないこと」を考えてみれば、その反対が「やりたいこと」である場合が多いということです。(72ページより)


こうした基本的な考え方を軸に、以後の章では先延ばしが100%なくなるというメソッド「行動イノベーションノート」について解説されています。著者によればそれは、能力ややる気の必要なく、夢を実現するためのノート術なのだとか。先延ばししてしまう癖をなんとかしたいと悩んでいる方は、一度手にとってみてはいかがでしょうか?

印南敦史

swiper-button-prev
swiper-button-next